2015年11月24日に小千谷地区の「新潟の成長産業体験ツアー」が開催されました.今回見学させて頂いたのは,(株)第一測範製作所様と理研精機(株)様およびエヌ・エス・エス(株)様です.また,参加学生は,機械システム工学科の修士1年生10名です.
昨年度,試行的に県内企業見学会を開催しましたが,参加人数をあえて少人数に絞ったことで本音の質問ができると,参加学生と見学企業の双方にとって非常に評判が良く,今回から新潟大学主催としての企画へとつながりました.今迄と同様に,この見学会は,新潟県工業技術総合研究所と県内企業および新潟大学の3者の協働のもとに開催したものです.
企画趣旨は,単に工場の見学で終わるのではなく,就職面接の際に面接官が学生を見る視点や,何を訊きたいと思っているかなど,実践的な就職活動へ役立てることです.言い換えれば,学生にとっては,「業界・企業研究」のコツを人事担当者の視点で実践的に教えてもらえる貴重なチャンスとなっています.
以下に当日の様子を簡単に記します.
第一測範の技術部長には,限界ゲージ理解のための,嵌め合い公差などについて大変分かりやすく説明して頂きました.工場見学でも,わかりやすさに重点を置いた説明をして頂き,学生と教員共々にとても参考になりました.ラップなどの手作業がサブミクロンの寸法精度を保証する技術として重要視されている点は,学生にとって驚きで,このような工場見学でなければ学習できないことを再認識したようです.今回は,第一測範製作所の社員食堂で昼食を御馳走になり,工場見学で聞きそびれた質問や,日常の仕事内容についてざっくばらんに話をすることができました.
次の見学先の理研精機では,社長さんのご挨拶の後,若手の社員さんから会社説明をして頂きました.油圧ジャッキなどの油圧機器やコレットチャックの製造について説明をして頂きました.700気圧を誇る油圧製品では小型でも力持ちといった油圧機器の特徴を教えて頂きました.理研精機の社長が女性ということで,女子学生には大変励みになったようです.より使いやすい製品を提供するために,休日を利用して,自動車の分解・再組み立てを行うことでお客の製品作りを理解する努力を行っていることが披露され,良いものづくりをするには製品が使われる環境も理解するんだという姿勢に,多くの学生が共感したようです.自己啓発を重要視してるとおっしゃってました.
最後の見学先のエヌ・エス・エスでは,社長さんから会社の沿革を含めた説明をして頂きました.高速スピンドルを中心に超精密製品群を製造販売しています.工場見学では,最新の工作機械が多数の導入されているところや,最新の測定機器を導入するなど,設備投資に力を入れているところが感じられました.測れないものは作れないという精神から,最新の測定機器を導入するなど積極的に設備を導入している姿から,社長のチャレンジする人を求めるという言葉の意味が現実感を持って感じられました.
小千谷は場所的に新潟大学から離れていますので,移動に多少の時間がかかりましたが,8時45分から18時まで有意義に過ごすことができました.帰りのバスの中では,工場見学では質問できなかったまさに訊きたい質問があり,企業側から担当者の経験を交えた生の声を聞くことができました.