日本機械学会北陸信越支部特別講演会
「サーマルプリンタの技術革新とその未来応用技術」


 2015年11月25日(水)14:40〜16:30
 新潟大学工学部101講義室

 講 師:アルプス電気株式会社 寺尾 博年

 講演概要:
 サーマルプリンタは,熱を利用して紙などに印刷を行うものである.レーザプリンタやインクジェットプリンタと比べて,小型軽量にできることから,持ち運び可能な携帯用プリンタとして使われている.サーマルプリンタの歴史は,1970年代後期頃に始まり,業務用ファックスのプリンタとして利用された.それまで主流であったインパクトプリンタよりも静粛であることからサーマルプリンタ技術は産業界に急速に広まっていった.ランニングコストが低く携帯性に優れることから,現在はレジスタや自動券売機およびオーダーエントリシステム(飲食店の伝票)のプリンタとして,我々の生活の中で必要不可欠な印刷方式となっている.サーマル方式の中の熱転写方式は,3〜4色のインクリボンを使い,フルカラー印刷を行うことが可能である.また,インクリボンを使用しなくてもフルカラー印刷が可能なプリンタが上市されており,この分野にも革新的な技術開発が行われている.サーマルプリンタが,他のプリンタと異なるのは接触式プリンタであることから,メカニカルな摩擦・摩耗が問題となる点である.ここに,機械技術者が積極的にかかわり解決しなければならない技術的課題が存在する.
 本講演では,サーマルプリンタの歴史から最近の技術革新について解説する.また,今後サーマルプリンタが使われるようになり,ますます利便性が向上するであろう世界について概説する.

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冒頭の講師紹介と講演中の講義室の様子,学部3年生を中心に多くの学生が参加した.






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