英文輪読第6回 6月3日


青柳 高橋 福島 広瀬 伊藤
坂井

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'青柳'訳

今、式7.6aは直線亀裂に適用される。亀裂経路と共に亀裂前部の幅も増加する円錐亀裂の拡大における応力度の変化の要因を説明するために、モギノットとモーギスは式7.6aに訂正を加え、以下の式を示した。



ここで、2πrcは円錐亀裂の頂点における亀裂前部の長さを、2πrbはσ(b)の変数bで定まる点における亀裂の長さを表す。このフォームでは、積分は、bの0からcへの増加に伴う亀裂前部の長さの変化を含んでいる。ここで示されるようなヘルツ亀裂の系への式7.6a・7.6bの使用に際し、いくつかの重要な仮説がまとめられている。最初に、式7.6aは無限固体において、完全に埋め込まれ左右対称の両端亀裂の片方の頂点に精確に適用される。片口亀裂での歪みエネルギー開放率は、両端亀裂でのそれの丁度半分であると仮定すると、式7.6a・7.6bは片口亀裂の亀裂先端に等しく適用され、故に示された分析に対し妥当である。二つ目に、表面傷に対し、K1の値に+12%の訂正を加えるのは普通のことだが、これは大抵は均一な負荷応力によりつけられつつある表面傷に対してのみ適用でき、押し込み応力場の急な減少においては理にかなわない。三つ目に、亀裂経路はσ3の応力曲線により定まると仮定しているが、これは応力曲線が最大負荷応力の開放率を表すと直感的に考えられてきたためである。ヘルツの円錐亀裂の場合、円錐の角度は、大抵σ3の応力曲線より少々浅く観察される。例えば、ポアソン比ν=0.2では、σ3の応力曲線が試料表面に対し約33°の角度をつくる一方で、ヘルツ円錐の角度はおよそ22°である。この違いにも関らず、ここまでの方法は無効にする必要はない。それは、分析に、亀裂経路が試料の自由表面にほぼ垂直な(すなわち、完全に形成された円錐よりも、影響力の大きい円において)亀裂の発達の始まりを含む興味深い特徴が現れるためである。最後に、この議論全体にわたり、円対称性は常に仮定されている。傷のサイズは傷の深さを指し、表面に沿った傷の長さではない。傷の円環への発達はここでは考えない。

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'高橋'訳

式76bは平均接触圧力Pm=P/(πa2)の観点から応力で置き換えられるかもしれない、そして、距離はそのような接触半径の観点から表現されるかもしれない。



式76bと76cの組み合わせで、我々は関数Φ(c/a)を定義するがK1cに関連していて、次のように示されます。



Pm=P/πa2なので、式76dはRの観点から表現される球状の場合のグリフィスの重大な破壊状態を許可し、次のように示されます。



そして、aの条件で球やパンチについて次に示されます。



関数Φ(c/a)は既存の応力場の特性を持つ積分が含まれる。 開始半径は亀裂経路に沿って応力の値を決定するので、関数関数Φ(c/a)は特定の開始半径r/aについて評価しなければならない。 式76fの並び替えは球やパンチの場合のP=Pcのときの破壊についての臨海荷重を与えます。



式76gの右側で考慮する二つ目の要因はすべての材料定数です。 臨海荷重はそのときa3/2に比例するので(式73bによるとアウアーバッハの法則は等価である)、もしΦ(c/a)も定数ならアウアーバッハの実験法則は分析と一致されるだろうということがわかります。 しかしながら、Φ(c/a)は応力場、初期欠陥の大きさ、すべての変数の圧子半径における要因を含むので、定数を想定することはできない。 応力水準の値の領域、圧子半径があり、Φ(c/a)の欠陥の大きさはほぼ一定であるということが後に示されます。 c/aの領域は、それゆえアウアーバッハの領域と呼ばれている。

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'福島'訳

図7.6.1球と平面パンチ圧子について異なる開始半径の値におけるσ3の応力曲線に沿ったσ1の値を示していて、予想された亀裂経路に沿って応力場が減少していくことを説明している。最大主応力σ1は圧子により近いところで始まるそれらよりも圧子から離れた距離で開始される高いレベルの亀裂が残っている。これは見たところによると特異な結果が生じている、なぜなら応力がとても少ない表面からすばやく離れて伝播する圧子にとても近いところで始まった亀裂であるからです。
 高密度の欠陥を持つ表面に関しては、欠陥の大きさによって与えられた最大歪みエネルギーの開放率は場所とどのような負荷で欠陥は亀裂へと発展するかによって決まる。方程式7.6dの積分はそれぞれσ3の応力曲線に沿って応力分布の数値で求められ、c/aの関数として描かれ図7.6.2に示されます。特定の標準化された半径r0/aのφ(c/a)の値は半径c/aで始まるc/aの大きさの亀裂におけるひずみエネルギー開放率に比例します。欠陥の大きさcfに関しては、ひずみエネルギー開放率が最大となる特定の半径r0があります。これは図7.6.2でφ(c/a)の上部包絡線に相当する。この上部包絡線はこれらの図では描けないがφ(c/a)として示される。圧子荷重が着実に増加しているとき、グリフィスの基準はφ(c/a)の包絡線と一緒に方程式7.6eと7.7fによって与えられ、破壊表面エネルギーの二倍に等しくなるときに始めて一致するだろう。円錐亀裂はφ(c/a)が臨海地よりも大きい半径で試験片中に存在する欠陥の大きさcfの最も低い荷重で始まるだろう。

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'広瀬'訳

高密度なとても小さな欠陥のとき、cf/aが0.01より小さくなる。臨界荷重Pcは式7.6.gで与えられ、欠陥の大きさが大きくなるにつれ、減少する。欠陥の大きさに沿った応力水準はほぼ一定で、ハーツの方程式で与えられる表面応力と大体等しくなる。この場合、一定の応力水準のとき、グリフィスの基準が用いられる。より小さな欠陥は、接触半径の近くでは表面応力の基準が高くなるから、下側のro/aでより広がる。アウアーバッハの法則はこの場合を適用できないだろう。より大きな欠陥のとき、cf/aが0.1から0.2の間になる。この状況は質的に異なっている。式7.6gと図7.6.2は欠陥の大きさが大きくなるにつれ、臨界荷重が増加する。なぜならひずみエネルギ解放率が欠陥の大きさが大きくなるにつれ、φ(c/a)が減少することによって与えられるからである。この驚くべき結果の理由は式7.6.dの形の積分である。ひずみエネルギ解放率は欠陥に沿った応力分配と(c2−b2)−1/2の因数の両方に左右される。より大きなcはより小さな値とr0が同じ時の小さな欠陥とを比較し、値を求めるために積分する。

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'伊藤'訳


方程式7.6gから、Pc/a3/2 はΦ(cf/a)-1/2に比例する。
図7.6.2は外殻のcf/aの範囲を示し、Φ(cf/a)(また、それ故Φ(cf/a)-1/2)がほぼ一定です。
これがアウエルバッハ領域です。 この領域において、破壊を起こす危険荷重Pcは、実際には欠陥寸法から独立しているので、a3/2に比例しています。 試験片の表面のいたる所ですべての寸法の欠陥の存在を仮定すると、特定の欠陥寸法では、開始半径が最大のひずみエネルギー解放率を与える寸法となります。 グリフィス評価基準は最初に満たされるでしょう、それは、増加する荷重のうえで、最大のひずみエネルギー解放率が起こる位置で満たされます。 別の欠陥寸法において、開始半径は異なっているが、ひずみエネルギー解放率、つまり、危険荷重はあまり異なっていない。 欠陥寸法のアウエルバッハ領域の中での欠陥では、最大の危険荷重に記号Paが与えられ、それはΦ(c/a)とΦaが等しいということと方程式.7.6gからわかります。



そして、球状では




パンチ圧子では、方程式.7.6hの角括弧の中の数式の部分が直接アウエルバッハ定数となります。 方程式7.6hと7.6iでは、Φa は一定値となるΦ(c/a)の値となります。 図7.6.2より、これは球状である場合Φ(c/a)=0.0011、またパンチ圧子の場合ではΦ(c/a)=0.0007であると予想される。 Φaの値は重要です。なぜなら、破面エネルギー(押し込みの実験から得られたデータから見積もられているもの)に影響を及ぼすからです。 方程式7.6i、7.6e、および7.6fを結合して、以下のことが示されるかもしれません。




そして、球状では




パンチ圧子の場合です。 G/2γのプロットは、方程式7.6jと7.6kを使うことで計算され、そして、そのプロットは図7.7.1で示されています。

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'坂井'訳

前の文脈での"破壊"という用語は欠陥が接触円の半径と同心円状のリング状亀裂への伸長をあらわしている。一度、ひとつの欠陥が伝搬亀裂になったら、それは出発半径(はじめの半径)に適切なひずみ開放エネルギー関数曲線、式7.6.3にしたがって広がっていく。この出発亀裂がリング状亀裂に発展していくことは、その近傍のほかの欠陥が伸長することを防ぐ(邪魔する)、たとえその欠陥を生じさせる荷重より大きな、ある外力点の欠陥におけるΦ(c/a)の値が、Φ(c/a)曲線にあるように出発欠陥に対して計算された値より大きくなったとしても。亀裂の成長を決める条件は前の応力場に依存する。関数Φ(c/a)は前の応力場に存在するすべての欠陥の亀裂成長の開始を表現するのにつかってもよいが、実際にはじめに広がる欠陥についてのそれに続く伸張にたいしてのみ考えられる。式7.62に示されているAuerbachレンジ(幅)は亀裂長さc/aと0.01から0.1の範囲で一致している。これらの亀裂長さは亀裂の初期のリング状の形状と一致し、発達した円錐形状ではない、それゆえに円錐亀裂の観察された角度とσ3の前に言及した応力曲線その結果を変えないし、または前にここで紹介した分析方法の妥当性を変えるものでもない。 Auerbachの法則のエネルギ釣り合い説明はいわゆるAuerbach幅のなかに表面欠陥の存在を要求する。私たちは今、試料内のヘルツの円錐亀裂、それの表面は特別な特徴の欠陥分布を含んでいる、の開始条件を決定する過程を考えている。この過程はAuerbachの法則の欠陥統計的、欠陥エネルギ的な釣り合い説明と一致する。

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