英文輪読第7回 6月10日


広瀬 青柳 福島 高橋 伊藤
坂井

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'広瀬'訳

7.7 ヘルツの破壊の可能性

7.7.1 ベイブルの統計

欠陥の大きさと分配は脆性個体の強さと特徴づけることができ、一定の引張応力σが作用する試料表面積Aでの破壊の確率はベイブル統計を用いることで計算される。(第4章を参照してください):



mとkはベイブルパラメータである。パラメータmは強さの広がりを表し、(大きな値は狭い範囲を示す)パラメータkは「参照強さ」と試料表面の欠陥密度を結び付ける。ソーダ石灰ガラスの窓の場合の典型的な値はm=7.3とk=5.1×10式7.7.1aによって与えられる破壊の確率は、試料表面のAの範囲で、均一な応力 のときの臨界欠陥の大きさ(グリフィス基準で与えられる)より大きい欠陥を見つける確率に等しくなる。臨界欠陥の大きさは式7.4.cで与えられる。

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'青柳'訳

いくつかの与えられた試料表面上では、アウエルバッハ領域内に、上下に長い表面欠陥が数多く存在するだろう。ヘルツの円錐亀裂に代表されるような破壊の確率は、与えられた圧子荷重では、押し込み応力場内の臨界サイズの表面欠陥の発見の確率に直に依存する。臨界応力と欠陥サイズは式7.4cで関連付けられるが、この式では、応力は欠陥の全深さに沿って適用される。しかしながら、押し込み応力場では、これは引っ張り応力がヘルツの式で与えられる極小な欠陥にしか適用されない。均一な応力場の近似は、アウエルバッハ領域が近づくにつれ、次第に悪化する。アウエルバッハ領域内のより大きな欠陥では、破壊荷重は欠陥サイズに依存しなくなる。なぜなら、図7.6.2のカーブの外側の範囲により示される最大歪みエネルギー開放率は、ほぼ一定であるからだ。これらの欠陥より発生する破壊の確率は、それ故に、図7.6.2のカーブと等しい開始半径において、求めるサイズの欠陥の発見の確率を単位として、説明されなければならない。

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'福島'訳

7.7.2 押し込み応力場への応用

私たちは荷重と圧子半径によって与えられる破壊の確率を計算するためのところに今います。アウアーバッハの領域内のc/aの値についてPaを最小臨界荷重にさせます。図7.7.1は標準化したひずみエネルギー開放率G/2γ、欠陥の大きさc/a、Pの3つの異なる値(最小臨界荷重よりも下の荷重をP−、最小臨界荷重をPa、最小臨界荷重よりも大きい荷重をP+)についての開始半径r0/aとの間の関係を示している。G/2γが1よりも大きいときはグリフィスの基準は一致します。この図表上では、G/2γ=1のときの線は荷重P−、Pa、P+が一致する場所で描かれています。これはよりはっきりと示されたグラフで、曲線の1つの俗だけを示しています。その曲線は図7.7.1でφaの選択だけに頼っていることを示していて、rの値は独立している。しかしながら、もし特定の圧子荷重について図7.7.1で曲線で描きたいのならば、そのときPaは摩擦のない接触についてはrの評価が必要であるが、方程式7.6kまたは7.6.1から決めなくてはいけない。

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'高橋'訳

荷重が最小臨海荷重Paよりも小さかったら、どんなに大きくてもグリフィスの基準は満たされないので、破壊はどんな欠陥からも起きないということがすぐに明らかになります。 荷重がPaに等しいか大きいときにおいてアウエルバッハの領域内の欠陥からのみ発生するということが見ることができる。 もし荷重がPaよりも大きかったら、アウエルバッハ領域よりも下の大きさ、含んでいるとき、または超えているときの欠陥からの破壊のみ発生します。 荷重P+でPaより大きいとき、グリフィスの基準は開始半径の特定の値に依存する欠陥大きさの様々な範囲を満たす。 破壊はもし欠陥がその半径についてG/2γが1より大きいか等しい領域内ならば特定の開始半径で位置している欠陥から発生するでしょう。 この領域の欠陥の大きさは図771から決定することができ、考慮中の半径に対応する曲線についてG/2γが1よりも大きい場所の領域の上と下の境界における座標軸c/aによって与えられる。 その問題は特定の半径で発生している押し込み破壊の確率の計算、およびその半径における特定の大きさの領域内で荷重から少なくとも一つの欠陥を見つける確率から減らされる。 パンチの場合は、接触円の半径は一定なので、手順は簡単です。 球については、接触半径は荷重に依存し、欠陥の大きさを決定する手順は少し複雑です。

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'伊藤'訳


これらの確率を測定するために、半径riのn環状領域まで圧子を囲む領域を分割するのは便利です。 各環状領域の中でグリフィス評価基準を満たす欠陥を見つける確率を決定するために、方程式.7.7.1aは使用されるかもしれません。 方程式.7.7.1aは適用された一様応力における欠陥の確率を与えますが、固体の表面の領域Aの中で、方程式7.4cによって与えられた、この応力における臨界値より大きいあるいは等しい大きさの欠陥を見つける確立を計算するために使われることもできます。 方程式.7.7.1aの強度定数、mおよびkは試験片表面状態に適したそれらです。 与えられた表面亀裂分布のための特定の圧子荷重と半径のための破壊の総確率をもたらすために各環状領域に計算された確率はうまく結合できます。

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'坂井'訳

前の文脈での"破壊"という用語は欠陥が接触円の半径と同心円状のリング状亀裂への伸長をあらわしている。一度、ひとつの欠陥が伝搬亀裂になったら、それは出発半径(はじめの半径)に適切なひずみ開放エネルギー関数曲線、式7.6.3にしたがって広がっていく。この出発亀裂がリング状亀裂に発展していくことは、その近傍のほかの欠陥が伸長することを防ぐ(邪魔する)、たとえその欠陥を生じさせる荷重より大きな、ある外力点の欠陥におけるΦ(c/a)の値が、Φ(c/a)曲線にあるように出発欠陥に対して計算された値より大きくなったとしても。亀裂の成長を決める条件は前の応力場に依存する。関数Φ(c/a)は前の応力場に存在するすべての欠陥の亀裂成長の開始を表現するのにつかってもよいが、実際にはじめに広がる欠陥についてのそれに続く伸張にたいしてのみ考えられる。式7.62に示されているAuerbachレンジ(幅)は亀裂長さc/aと0.01から0.1の範囲で一致している。これらの亀裂長さは亀裂の初期のリング状の形状と一致し、発達した円錐形状ではない、それゆえに円錐亀裂の観察された角度とσ3の前に言及した応力曲線その結果を変えないし、または前にここで紹介した分析方法の妥当性を変えるものでもない。 Auerbachの法則のエネルギ釣り合い説明はいわゆるAuerbach幅のなかに表面欠陥の存在を要求する。私たちは今、試料内のヘルツの円錐亀裂、それの表面は特別な特徴の欠陥分布を含んでいる、の開始条件を決定する過程を考えている。この過程はAuerbachの法則の欠陥統計的、欠陥エネルギ的な釣り合い説明と一致する。

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