英文輪読第1回 4月14日


川崎彰太 遠田洋平 榎本竜太 猪爪和也

TOPへ戻る


'川崎彰太'訳

差し当たり、私たちは、必要以上に荷重負荷の初期過程(それは実験の状態に依存する)を考慮することなく、一般的にVickersあるいはBerkovich圧子に荷重をかけられた試験片で見られる亀裂の種類を見分けるのに十分である。通常、三種類の亀裂があり、それらは図8.2.4で図示されている。 @.Radial cracks は、塑性領域の外で、また押し込み箇所の圧痕の角で、試験片の表面に生じる”垂直”半円形の亀裂である。これらのRadial cracksは、円周応力σФ (?=π/2)によって形成され、試験片の下方向に広がるが、それらは普通、非常に浅くなる。 A.Lateral cracksは、表面の真下で起こり、荷重のかかった方向を軸としてその荷重負荷方向に対して軸対称となる”水平”の亀裂である。これらは、引張応力σr (?=0)によって生じ、しばしば表面にまで達する。そして、試験片の表面を欠けさせるかもしれない、環状の亀裂を結果として生じさせる。 B.Median cracksは対称軸に沿って表面の真下で生じる”垂直”な円形の亀裂で、圧痕の角を結んだ線上にある。荷重の状態によって、Median cracksは上方に広がり、また表面のRadial cracks が加わり、それによって図8.2.4に図示されるような表面で交わる二つの半円形の亀裂を形成する。それらは外向きの応力σ?(?=0)の作用によって生じる。

TOPへ戻る


'遠田洋平'訳

以前から言われているように、このような3種類の亀裂の始まりの過程は実験の条件に敏感である。しかし、ビッカース圧子により荷重を加えられたソーダ石灰ガラス(一般的で容易に手に入れることができる試験材料)では、メジアンクラックが最初に発生するということが、大抵観察される。荷重が除荷されるとき、メジアンクラックを囲っている弾性ひずみを受けている材料は、永久的に変形した塑性材料(それは試験片の表面に跡を残す。)の存在のためにその形を元に戻すことができない。垂直方向の残留引っ張り応力は”水平な”ラテラルクラックを作り、上方に曲線を描き、それは試験片の表面と交差する場合がある。再び荷重を加えられると、ラテラルクラックは閉じ、メジアンクラックは再び開く。押し込み荷重が小さい場合、ラジアルクラックも除荷されている間形成する(他の材料ではラジアルクラックは負荷中に形成する場合がある。)。より大きい荷重では、除荷のときに、メジアンクラックは外へ上へと広がり、ハーフペニークラックを形成するためにラジアルクラックとつながり、それは”メジアンラジアル”クラックと呼ばれる。ソーダ石灰ガラスの中で、試験片の表面での圧痕の角で観察されるクラックはたいていメジアンラジアルクラックへと変わっていく。しかしながら、他の脆性材料では、E/Yの高い値では、ラジアルクラックはたいていメジアンクラックとは区別でき、負荷をかけるときに形成する。

TOPへ戻る


'榎本竜太'訳

実験的観察は、押し込み亀裂の一般的な過程が1つもないことを示す。 チャン、マーシャル、エヴァンス、およびヨッフェもブジネスクの弾性応力場の重ね合わせで亀裂の過程について説明するのを試みて、ジョンソンの拡張空洞モデルと関連した分析モデルを提案した。 ヨッフェのモデルは、材料とE/Yの条件上で荷重の付加と除去での応力の発生について説明していて、さまざまなテストの材料での荷重の付加と除去の過程の場合、ラジアルクラックとラテラルクラックの外観の原因になるように思われる。 しかしながら、そのモデルはチャン、マーシャル、およびエヴァンスのものと同様に先鋭な圧子を軸に左右対称に扱う。 明らかに、ピラミッド状の圧子の角は重要な役割を果たす。なぜならラジアルクラックやメジアンクラックはへこみ角と提携するためである。 しかしながら、この形状タイプを扱う立体的な分析モデルの開発は非常に難しい仕事であるだろう。また数値的有限要素解析をほとんどを委ねた方がよいだろう。 軸対称モデルの真義は、物理的な見識をもたらすことで、それは非常にうまくいっている。 図8.2.4 ビッカーズの圧子に関する亀裂系 (a)放射状亀裂 (b)横断状亀裂  (c)中央の亀裂 (d)半円状亀裂 表面の近接は試験片の破壊強度に大きな影響力を持っているため、そこには特に重要であるラジアルクラックやラテラルクラックがある。 亀裂のそれぞれの種類の破壊力学的扱いは、ラジアルクラックの長さに基づいて破壊靱性の尺度おもたらそうとしている。

TOPへ戻る


'猪爪和也'訳

押し込みによる亀裂の主な特徴の1つは、負荷が増加しても安定していることです。 ビームタイプの延性材料のまっすぐな傷は、強靭性テストに決まって使用されますが、このタイプのテストは脆性材料で行うのが非常に困難です。 実験を試みても、通常は試料が破壊され、失敗に終わります。 また、押し込み亀裂は、表面のほんの小さなテスト領域だけを必要とし、通常1つの試料の面に複数のくぼみをつけることができます。 これらの理由から、圧痕試験によって得られる亀裂の長さのデータを使って、破壊靭性を測定できるのが望ましいです。 通常図8.2.5に示す通り、試料表面の放射状亀裂の端から中央までを測定し、放射状の外に向かう方向に沿った亀裂の長さに注目します。 パルムビストは、亀裂の長さlが、負荷の1次関数となっていることに注目しました。 ロン、エヴァン、そしてマーシャルは異なる関係を定式化しました。それは完全に形成されたメディアン/ラディアルクラックを用いて、P/c(cは中心からひびの端までの長さ)の比を定数としました。定数の値は試料材料に依存します。 破壊靭性を求める式は以下の通り Fig.8.2.5 Vickers・Berkers圧子のひびパラメータ。cは試料表面のひびの端から中央までの長さ。 ここで、k=0.016という補正定数であり、c=l+a、このときn=1/2です。 様々な研究結果も発表されており、Anstis、Chantikul、Lawn、そしてMarshallはk=0.0098、n=3/2と決定しました。

TOPへ戻る


川崎彰太 遠田洋平 榎本竜太 猪爪和也

TOPへ戻る


英文輪読トップページへ

新田研究室トップページへ