英文輪読第2回 4月21日


永峯利樹 鈴木天 小嶋 仲又一成

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'永峯利樹'訳

1987年、ロージェは前もって報告された実験結果と決められた(8.2.3b)式の広範囲の再検査に取り組んだ。 ロージェはXv=0.015のとき、放射状と半円のモデルが作る亀裂の長さが荷重とほとんど予測と同一に依存していることを示した。(注釈、式8.2.3aと式8.2.3bの間には類似点がある。実験は(a/l)^1/2のときに、中央放射のガラスと放射状の構造のセラミックとの間にほとんど変化が認められないを示している。)この結果の意味はたいていの場合亀裂の長さから十分な中央放射状の亀裂が存在することを推測できず、また特定の素材の亀裂のシステムにおける十分な知識を得るために不透明な素材で試験片の断面観察に取り組むことが必要がある。 8.2.4 バーコビッチ圧子の分析の大半ではヴィッカーズダイアモンドピラミット圧子によって行われる押し込み技法が使われている。この圧子は向き合った面が136°の四角錘の形(エッジでは148°)をとる。 しかし、バーコビッチ圧子には、特に極端に微小なくぼみの研究においてはますます重要である、錘の側面が線ではなく点でより合う可能性があるという利点がある。 だが、この利点にもかかわらず、対称性の損失は、半円状の亀裂はもはや押し込みの二つの角と接合することが出来ないので標本の硬度を決定する時にいくつかの問題を引き起こす。 オークターロニーは中心部の荷重により膨張した星状亀裂から広がる半円状の亀裂の性質を調べ、放射状亀裂の数から応力強度係数の補正係数を決定した。

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'鈴木天'訳

DukinoとSwainの提唱によれば、この変形はBerkovich圧子のくぼみにみられるク ラックのパターンと関連性がある。 n=4(Vickers)とn=3(Berkovich)のときのk1の値の比率は1.073で、つまりBerkovich圧子による放射状 のクラックの長さ(くぼみの中心からクラック の先端までの距離)はK1が同じ 値のVicers圧子の1.073^(2/3) = 1.05倍であるだろう。 Laugierの表現では次のように書くことができる。 (式省略)

8.3 球状圧子
我々は次に球状圧子に関連した弾・塑性の変形応力場の考察について検討しよう。 以前から言われていることだが、弾・塑性の接触での変形応力場の解析的な扱いは 圧子からの可塑性の存在によって複雑になっていた。 しかし、それらの困難さは有限要素法で回避できる。 そのモデリングは注目に値するほど重要である、なぜなら、それは複雑な幾何学と材料の特性を含むくぼみの数値データを提供するからである。 第9章で見ることになるのだが、弾性領域の実際の形状とサイズは試験片の力学 的特性、特にE/Yによる。ここでEは弾性係数、Yは降伏応力である。

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'小嶋'訳

特定の影響力は図の8.3.1.の弾性素材と弾塑性応力分布の比較で示される。この図は塑性体の存在 つまり、近視野の押し込み圧力に大きな変化をもたらす損傷ゾーンを示す。一般に最大主応力の等 級は伸縮素材の場合と比較するとき接点の中心からはなれて外面的に変化するように見える。しか しながら、遠視野の応力は伸縮素材の場合から少し変わったように見える。その応力の等級の変化 は、接点の中心からはなれた、圧子を支持する上向きの圧力分布の外面的変化を示す。これは図8. 3.2に示された接点圧力分布に反映されている。弾塑性の場合についての接点圧力では、(接触円の 端近くにある接点圧力の原因を除けば。)伸縮素材の場合と比較してより均一に分配されているよ うに見える。図8.3.2の結果は、伸縮素材の場合について、平均接点応力Pm=3.0GPaと接点半径aо =0.326oをプロットして規格化した。降伏応力Y=770MPaについての応力は荷重P=1000NとR=3.18oで 計算された。絶対値はこれらの要因を掛け合わせることによって得られるかも知れない。 図8.3.1は球状圧子のガラスセラミック材料についての主応力の等高線である。左側の図は5章の方 程式5.4.2iと5.4.2oからの伸縮素材の解を示している。右側の図は、弾塑性の反応による有限要素 結果を示している。等級は(a)σ1,(b)σ2,(c)σ3,により示される。伸縮素材と弾塑性の反応の両方 に対しての間隔は接触半径ao=0.326mmとP=1000Nの伸縮素材の場合による平均接点応力Pm=3.0GPaの条 件の応力に関連して表される。(次22参照) 図8.3.2は、伸縮素材(方程式)とP=1000N,R=3.18mmの弾塑性(有限要素)接点についての接点応力分布 である。結果は図8.3.1にあるようにaoとPmに規格化した。横軸の底面の棒は弾塑性の条件による接点 の円の半径a=0.437mmを示す。(次22参照)

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'仲又一成'訳

図8.3.3は物体の表面の対称軸に沿って下向きの応力の変化を示す。図8.2.3に関しては、実験結果を弾性接触圧力(Pm=3.0GPa)、接触面積(a0=0.326mm)に正規化し、プロットしている。接触圧力は弾性の場合(a=0.437mmとする。)、その範囲が広ければ広いほど低くなるが、図8.3.3(a)に示されるように、表面に沿うσ1の最大値は弾性のある場合に極めてよく似ている。接触領域の中で、接触円の縁付近では応力は興味深い変化を示す。塑性領域が接触範囲内に含まれるため、この不連続性が金属のような物体の接触を引き起こす。そして塑性変形領域は接触円を超えて拡大する。 図8.3.3(b)は検体内の対称軸に沿って下向きの応力の変化を示している。ここで留意すべきは最大引張応力が弾塑性の境界で起きる事と、最大引張応力が弾性接触の計算値よりも約3.6倍以上大きい事である。 これらの実験結果でもっとも重要な事は、くぼみの応力場を構造の信頼性解析に役立てようとすることだ。脆い物質は表面流動による引張応力の働きが原因でしばしば欠損する。たとえば、ヘルツのソーダ石灰ガラスの実験(第7章に示す)の測定手順の決定は純粋な弾性接触に適応される。物質のタイプは次のように記載されている。 「名目上脆いセラミックは塑性域において、せん断力による破損を受ける。」 つまりワイブル統計の解析は適さない、もしくは表面というよりは検体の内部の欠損に適応する必要があるのかもしれない。 どの解析を選んだとしても、材料内部の応力状態に関する詳細知識は必要である。 図8.3.3 応力σ1,σ2,σ3, 流体静力成分σH, z=0の検体表面(a)とr=0の対称軸に沿って下向き(b)の最大せん断力τmax。 (a)、(b)両方において、鎖線σ1E は有限要素法の結果と弾性公式の比較から導かれたものである。(a)の水平軸は断塑性状態におけるa=0.437mmの時の接触円の範囲を示す。(b)の影がついてる部分は塑性変形が起こった領域 を示している(22番参照)。

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