第04回英文輪読

'アルデル'訳

相互溶解度は唯一な要因ではなく、トライボロジー的な適合性に影響を及ぼす要因として。その相性は滑り材料の表面フィルム(通常は酸化物)の性質と関連している。かなりの酸化膜の不在は、貴金属の金、銀、プラチナ、ロジウムなどの低い摩耗速度とよく関連付けられている。酸化メカニズムはおそらく重要ではない役割を果たすだろう。Kの値は通常図7.2での予測したように、ほかの金属の値の3分の1である。 一部の金属では、六角形の最密充填構造を持つ金属として、異常な挙動を示し、立方体の金属よりも限られている延性と科学的要因の両方に関連している。

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'清野'訳

非常に制限された延性を有する硬質皮膜または拡散層は一般にこのタイプの摩耗に対して優れた耐性をもたらす.不規則な性質をもつ粗い表面(研磨粒子の吹き付けによって生成されるような)は,一般的にジャンクショングロースを抑制するため,耐焼付き性を増大させる.それに対して,鏡面を有する金属は焼付きを起こしやすい.5章10節および図7.2で見たように,マイルドすべり摩耗を受けるセラミックスは,異種金属同士の場合と同じかそれよりも低い摩耗係数を示し得る.この事実は,その高い硬度と相まってセラミックスが金属より大幅に低い摩耗率をもたらすということを示している.

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'馬場'訳

バルクセラミックスの欠点のいくつかは、金属基板上にコーティングの形で材料を使用することで克服できる。プラズマ溶射、物理蒸着(PVD)、及び化学蒸着(CVD)によって生成されるセラミックスコーティングは表面工学的な手法の重要なグループを形成している。 セラミックスのすべてのトライボロジー的用途では、表面張力を減らすことにより局部破壊の発生を避けることができるため、潤滑は非常に有利である。しかし、不適切な潤滑剤とセラミックの間に化学的な相互作用が生じて摩耗が促進される可能性を常に考慮する必要がある(5.10.5を参照)。

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'吉田'訳

図7.3は、表形式で純金属同士の相互溶解度を表している。完全に不溶であると示されたこれらの組み合わせは、相互にごくわずかな固溶度を示し、さらに液体状態で2つの異なる共存相を形成する。それらは通常、トライボロジー的に互換性のあるペアを形成する。もちろん、同一の金属同士は完全に相互に溶解し、互換性が低くなる。他のペアは表に示されているように様々な程度の固溶度を示す。一般に、相互溶解度の高いすべりペアはトライボロジー互換性が低く、したがってKの値が比較的高くなる。低い摩耗速度では、良好な互換性が得られるような低い相互溶解度が必要とされている。

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'秋澤'訳

チタン、ジルコニウム、ハフニウムは例えば、無潤滑でのすべり時に図7.2から予想される反応を示す。しかし、たいていの炭化水素潤滑油を差したときに、摩耗速度のわずかな減少を示す。その他のh.c.pメタルは一般的に図7.2で予測されるよりも低い摩耗速度を示す。セクション5.6で見たように、鋼やその他の金属は滑り中に酸化膜を形成し、その硬度は酸化膜の安定性、したがって摩耗の主要なメカニズムを決定する上で重要である。金属が酸化物に十分な機械的支持を与えるのに十分なほど硬いなら、酸化のメカニズムにより比較的遅い速度で軽度の摩耗が起こる可能性がある。(セクション5.7.2参照)このように、硬度は一定の金属の滑り摩耗に強い影響を与えることがある。

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'福島'訳

7.6.2 滑り摩耗 滑り摩耗への耐性の相対的な材料の序列は滑りが発生する正確な条件に依存する。チャプター5で見たように、材料の全ての種類の滑り摩耗はいくつかの異なるメカニズムによって起こる可能性があり、異なる主要なメカニズム間での遷移は垂直荷重や滑り速度、温度や環境の少しの変化によって引き起こされる。しかし材料の滑り摩耗の挙動については一般的なことが述べられる。利用可能な実験データのほとんどは比較的低い摩耗速度に関連し、しばしばいくつかの潤滑や穏やかな摩耗体制、あるいは激しい摩耗や高荷重での表面の傷や低い滑り速度に関係する。(つまり焼き付き。セクション5参照)

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'最上谷'訳

一般的には、Kのより高い値は金属または非金属のどちらかに対して滑る非金属よりも、金属に対して滑る金属に見られる。 同じ金属の向きに対して滑る金属の多くは、高いKの値を示す。 もし金属が異なる金属である場合、Kの値はより低くなる。そして、2つの金属のトライボロジー互換性の程度に依存する。 この文脈の「互換性」という用語は強い界面結合を形成するために反対面の不本意を意味する。そしてそれは、高い摩耗率につながる。 金属のトライボロジー互換性はほかの性質を完全には相関しない。だが、すべりカップルの材料の平行相図から推測される相互固体溶解度の程度は、しばしばガイドとして提案されます。

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'兼田'訳

しかし、ある特定の合金の硬度の増加は、通常摩耗速度の低下を引き起こすが、違う合金の耐摩耗性では硬度はあまり予測できない。特に鉄の中の炭化物、また鋳鉄の中の黒のような微細構造の特徴の存在などの要因は、しばしさらに重要になる。厳しい凝着摩耗や大きな垂直荷重の下での焼き付きを受けた金属の抵抗は、それほど厳しくない条件下で耐摩耗性に常に関係しているわけではない。焼き付きの金属の感受性を制御するいくつかの要因は見つかった。:凝着を防止する表面皮膜の有効性、これらの被膜を破壊する前の凝着の強さ、そして、さらなる滑りを起こすジャンクショングロースの範囲(セクション3.4.3参照)

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'廣川'訳

ポリマーはまれに耐摩耗性構造材料として考えられている。通常は軸受け材料として使用されており、多くの場合、限界または乾燥した潤滑の条件下で。ただし、十分な強さを持ったいくつかのポリマーは、トライボロジー用途のバルク部品として使われる。特にナイロン、アセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルキン。多くの場合、適切な充填剤で補強されている。例えば転がり軸受用のケージは、しばらくの間ガラス入りナイロンから形成された。そしてこの材料と同様にアセタールも一般的に軽負荷ギアのために使われている。レーシングカー用の変速装置のためのセレクターフォークは作られた。すぐれたトライボロジー性能を兼ね備えた炭素繊維強化ポリエーテルエーテルケトンから。従来の鍛造品と比較して大幅な軽量化を実現した。

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'今野'訳

相互固体溶解度は、凝着力の強さを表すものとして、さまざまな役割を果たす。強い凝着を起こす金属は、さらに磨損ダメージを起こしやすい。限られた数の六方晶金属は立法金属より焼き付きが小さい傾向を示す。たぶん、それらのより小さい延性のためだろう。合金の積層欠陥エネルギーの効果の研究は提供した。低い積層欠陥エネルギーの金属は高いものより磨損の傾向が少ないことを。 他の研究者は高い加工硬化係数はコバルト、ニッケル、鉄ベース合金に有益であると発見した。加工硬化係数は磨損抵抗を表すものとして絶対に確実とはいえないが。例えば、オーステナイトステンレス鋳鋼はマルテンサイトの構造によって急速に加工硬化されるので、悪名が知れ渡るほどに磨損に脆い。硬度だけでは、磨損抵抗を表すのに乏しい。例えば、鉄の中の炭化物や窒化物が高濃度であるのは望ましい。そして、これらの堅くて脆い沈殿物の、より小さい体積分率を達成した、近い硬度のものより大きな摩耗抵抗を与える。

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'本田'訳

そのような理由で、例えば精密工学構成要素、ミリングカッター、ツイストドリル、プレス用金型など、これらの方法は大きな利益をもたらします。PVD窒化チタンコーティング、特に高速度鋼や超硬合金工具のものは大幅に寿命を伸ばすことがわかっています。 窒化チタンアルミニウムまたは窒化チタンニオブを含む同様のコーティングではさらに優れた性能が要求されます。このような技術は、さらなる発展の大きな可能性を秘めています。他の場合では使用中に加えられる表面応力が構成物により深く浸透するためより厚い改質層またはコーティングを生成する方法が必要です。

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'高内'訳

しかし、トライボロジー用途でのセラミック母材の使用には欠点がある。それらの機械的特性(特に破壊靭性)は、それらに課せられた要求に十分でない場合や、必要な形状で製造することが困難な場合があり、小規模な表面破壊が激しい摩耗につながる可能性があり(5.10.3を参照)、慎重な設計が必要である。それにも関わらず、セラミック母材の部品はいくつかのトライボロジー目的で非常に耐久性があることを証明できる。例として、水循環ポンプのアルミナブッシュとフェイスシール、窒化ケイ素バルブの部品、人工股関節インプラント用のアルミナ大腿骨頭とカップがある。

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