第12回英文輪読11月12日
'加藤'訳
3.4 真実接触面積
多くのトライボロジー的特質、たとえば摩擦や摩耗などは、真実接触面積に比例する傾向がある。
接触面はその粗さの突起の頂点においてだけで接触しているので、真実接触面積は一般的に、はっきりと接触しているほんのわずかな部分である。
前に言及したように、隠れて見えない接触境界面の真実接触面積を測定することは一般的に非常に困難である。
その代わりに、それは接触面における接触のメカニクスを分析することにより、真実接触面積を推定しなければならない。
この分析のためのインプット(情報)として、以下が必要になる。
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表面粗さ
前の章で記述したように、AFMや3次元光学粗さ計は接触面の表面トポグラフィーや粗さパラメータを決定することができる。 粗面において、接触メカニクス分析のための最も有用な粗さパラメータは一般的に突起頂上の平均曲率半径Rと、頂上高さの標準偏差σである。 これらの数値は、突起各々をそれらがすべて同じ曲率半径Rをもっているとして推定することにより、接触ジオメトリ(形状)の近似に用いられる。 -
ひずみ定数
前のセクションで論じたように、インデンター(圧子)は材料の近くの表面域の微小硬さHを決定することができる。 同様の押込み試験ではまた、材料のヤング率Eを決定することができる。 -
接触力
接触力は内部の凝着力(Ladh)に加え、境界面の面直方向に加えられた外力(荷重L)と境界面の接戦方向に加えられた外力(摩擦力F)からなる。
'齋藤'訳
これらの入力を用いて、有限要素解析コードを行うコンピュータは与えられた接触状態における真実接触面積のかなり正確な推定値を得るために使用することができる。
有限要素解析はかなり正確に行うことができるが、そのような接触界面の物性値に由来する接触領域がどのようなものかについて解析から参照することはしばしば困難である。
より良い様々な粗さと変形パラメーター間の相互作用を理解するために、次に私たちはいくつかの真実接触領域を推定する単純モデルを議論する。
3.4.1 グリーンウッドとウィリアムソンのモデル
1996年にグリーンウッドとウィリアムソンが開発した弾性率と一緒に突起の曲率の粗いパラメーターと突起高さの分布に依存する接触面積を示す多数の接触点の弾性モデル。
このモデルでは、グリーンウッドとウィリアムソンが広めた図3.10に示される状態に平らな範囲の弾性接触のヘルツ理論で、以下の接触する接点の性質についての仮定をする。
- 変形しにくい平らな表面が弾力的に変形しやすい凸凹な表面に接触する。
- 凸凹な表面は丸い形状をした突起に覆われていて、全て同じ曲率半径Rを持つ。
- 突起の高さは、無作為にガウスか突起高さの指数関数分布のどちらかで変化する
図3.10 グリーンウッドとウィリアムソンモデルで想定される接触ジオメトリー。
'笹崎'訳
'佐藤'訳
- 凹凸数や真実接触面積は荷重に比例する.
- 各凹凸の平均接触面積は荷重とは無関係である.
- 平均接触面圧は荷重とは無関係である.