第11回英文輪読11月05日
'豊﨑'訳
この固体表面の形状ならば、実際の接触領域Aはこのように与えられる。
また、平均接触面圧(垂直応力)Pmは
この圧力は円形の接触領域では一様ではない。
しかし圧力の最大の中心とゼロに落ちていく接触領域の端が図3.6(c)に描かれている。
このヘルツ圧分布は
この最大p0の3/2倍は平均圧力pmである。
この法線方向における2つの物体の弾性変形の圧力分布の量は
3.2.2.2.1 例：球状のスチール粒子が二つの平らな表面に挟まれている。
この例について図3.7に描かれている状況について考えてみる。
これは小さなステンレススチール粒子(半径R＝1μm)は二つの理想的な滑らかな表面でまた、ステンレススチールで作られている。
この状況は二つの接触表面間の小さな磨耗もしくは、破片粒子が詰まる簡単なモデルである。
弾性接触が起こる場所の状態で、粒子が二つの平坦と接触している場所の接触半径a,平均圧力Pm,圧縮の大きさΔzを決定したい。
304ステンレススチールの場合、弾性係数E=200GPa,ポアソン比ν=0.3,硬度H=1.5GPa, なので合成の弾性係数は
'中村'訳
ここで、その粒子は平らな面に触れるが、そのとき接触半径a、平均圧力Pm、そして圧縮量Δzの大きさは、以下によって与えられる。
では、1nNから1μNまでの荷重の範囲を考えてみよう(1nNは、単一の原子の結合の強さとほとんど一致するが、1μNはこの接触幾ジオメトリーにおける塑性変形によって、しきい値をちょうど超える。
| 荷重L | 接触半径a | 平均圧力Pm | 接触毎の垂直圧縮量Δz |
|---|---|---|---|
| 1 | 1.9 | 0.089 | 0.0036 |
| 10 | 4.1 | 0.19 | 0.017 |
| 100 | 8.8 | 0.41 | 0.077 |
| 1000 | 19 | 0.89 | 0.36 |
'入井'訳
3.3 塑性変形
3.3.1 基本的な関係
延性材料の一片，例えば図3.8に示すような円柱などは，個々の原子に加わる力が引き合う復元力を超えるような十分に高い引張応力を受けると，図3.2(d)，図3.3，図3.4で図解するように原子はお互いに滑り面に沿って滑り始める．
このような材料の領域は塑性変形を受ける．
塑性変形させるために必要な単位面積あたりの引張力（または圧縮力）を降伏応力Yという．
塑性変形の特性の一つは，変形の進行過程を元に戻すことができないことである．
すなわち，応力が取り除かれたとき，塑性変形を受けた原子は十分に満足する新しい位置にとどまる．
したがって円柱は図3.8の右のように永久に引き伸ばされたままになる．
平面に接触している球状の形をした圧子に関して，図3.6にプロットした垂直応力に加えて他のいくつかの応力（対称軸に対し半径方向応力と，0.5（垂直応力-半径方向応力）のせん断応力）が材料に働く．
塑性変形は一般的に1つの原子面の滑りを伴うので，せん断応力の大きさは塑性変形が発生するかどうかを決める．
もしポアソン比ν＝0.3ならば，最大せん断応力が接触面下0.84aの深さにおいて0.31p0または0.47pmで起こる．
Trescaの条件を用いると，塑性変形は最大せん断応力がY/2を超えたとき，0.84a深さで開始する．p0=1.6Yまたはpm=1.1Yのとき，平面上の球という幾何学配置において発生する．
式（3.10）より，平面と球の幾何学的配置による塑性変形を開始するために必要な負荷は次式である．
図3.8 左：円柱が塑性変形を起こすために非常に弱い引張荷重を受ける．
右：金属などの延性材料の円柱が塑性変形を起こすのに十分大きな引張荷重を受ける．
'池田'訳
3.3.2 硬さ
球状圧子が塑性変形を引き起こすように平面に押し付けられたとき，塑性領域は最初小さく(図3.9(a))，周囲の材料の弾性変形が塑性変形を封じ込めるように働く．
加重が増加するにつれ，塑性変形している領域は拡大し，接触圧力の増加に適応する．
最終的に、塑性変形は力を受けていない表面に広がり、図3.9(b)に示すように材料は圧子の側面の周りを塑性流動する．
金属において塑性変形が力を受けていない表面に広がる荷重は一般的に表面で塑性流動を開始するのに必要な荷重よりも50～100倍大きい（1985年ジョンソン）．
完全に可塑性(荷重を取り除いても歪が残る性質)が発生するまでに平均接触圧力がpm~3Yまで上昇した．
一旦材料が圧子の周りで塑性流動し始めると、平均接触圧力は荷重が増加してもまったく変わらず、塑性領域は単に荷重に比例して増加する．
このような状況において、硬さHは(荷重)/(永久くぼみの面積)で定義することができる．
したがって、圧子の下で素材が完全に塑性変形した平面幾何学上の球において式(3.18)となる．
その他の非球状と平面の接触ジオメトリー、--たとえば円錐、角錐、平坦な端面の圧子などにおいて、圧入圧力と降伏応力Yの比もまた一定であり、比例定数は常に3に近い。
したがって式(3.18)はまだ（非球状と平面の接触において）適用される．
測定された硬さは圧子の頂点の形状に依存せず、むしろ圧子の側面の周りを塑性流動する材料の性能に依存する．
図3.9 やわらかい材料の平面を硬い球が凹ませるときの塑性変形
(a)塑性変形の開始時に、塑性領域は最大荷重の領域で小さな体積を閉めるだけである．
aY=2.5YR/Ecは塑性変形開始時の接触半径である．
(b)高い荷重をかけたとき、圧子の側面の周りで大量に塑性流動する．