第11回英文輪読05月24日
'青山'訳
癒着層の構造を図5.10に示す。これらの実験条件のために、層全体の厚さは約40μmであり、そのうち様々な酸化物が約25μmを構成する。バルク真ちゅうと比較した表面層の強化された強度は、微小硬度プロファイルから明らかに見られる。摩耗粉を形成するための酸化物の除去のメカニズムは、荷重、速度および温度の正確な条件に依存し、接触面積の異なる領域によって変化し得る。酸化物の薄片は、循環負荷の結果として剥がれることがあるが、鋼に由来する硬質酸化物粒子による研磨もまた重要であり得る。第6章でより詳細に議論される酸化物粒子による研磨はおそらく、鋼の摩耗も招き、おそらく逆説的に、真鍮のマイルド摩耗の間にシビア摩耗系よりも少なくとも10の4乗倍速い。
'岸'訳
酸化物の形成は、軽度の摩耗のプロセスにおいて重要な役割を果たすので、摺動面の酸化の割合を変化させるいかなる要因も、軽度摩耗と過酷摩耗との間の遷移に影響を与える。温度は酸化速度に影響を及ぼすもっとも明白な変数である。摺動界面の温度は周囲温度および摩擦損失に依存し、摺動速度および荷重に依存する。両方の効果は図5.11に示されている。
'金籐'訳
気温20℃の空気内では、幅広い速度範囲に渡ってシビア磨耗状態が広がる。滑り速度が0.2mm/sより小さい場合は、しかしながら、表面上の各点における酸化に使える時間が非常に長くなり、マイルド磨耗のプロセスが起こるが、それは逆移着フィルムが形成され、磨耗率が劇的に下がったためである。
'笹原'訳
磨耗の異なる形態が支配するさまざまな領域を表すのに役に立つ方法は、磨耗領域または磨耗モード・マップによって提供されます。 一般のピン−オンーディスク ジオメトリーにおいて空気中ですべっている鋼の、例は図5.14に示されます
'佐藤'訳
より高い周囲温度での熱酸化の増加率は,マイルド摩耗領域に有利に働く.図5.11は300℃の空気中で,シビア摩耗が生じる速度の範囲が大幅に減少したことを示している.また,純粋な酸素中での摺動は酸化の促進につながり,これらの条件下で300℃では,シビア摩耗は狭い範囲の速度でのみ見られる.
'鈴木(翔'訳
より硬い相手面に対して摺動する真ちゅうの場合、単一でない特有の磨耗メカニズムが幅広い状況下で作動するということが前章でわかった。 むしろ、滑り状況が変化すると、相対的な重要性が変わるいくつかのメカニズムがある。 この結論は他の滑り系においても当てはまる。 主要な磨耗メカニズムと磨耗率に関連した変化は一般的に垂直荷重と滑り速度の変化を伴うとわかり、そしてまたある場合においては滑り回数(または距離)も伴う。 根本的なメカニズムの重要性を制御する主な要因は機械的圧力、温度、酸化現象である。 3つの要因を考慮することは金属の滑り磨耗を理解する上で必要不可欠である。 特に温度に関して、周囲の状況に比べて境界面の状況がかなり異なることを認識しなければならない。
'田村'訳
滑り摩耗の複雑さは、3つの制御因子のすべてが相互に関連しているという事実から生じる。そして、荷重と滑りの両方は、速度の影響をうける。図5.12に概略的に示す。どのように機械的損傷の程度、(表面応力による)および界面温度が荷重と滑り速度に依存するか示す。荷重を増加させると応力が直接高くなり、機械的損傷が深刻になる。荷重と滑り速度の両方が界面温度に影響する。これらは一緒になって、消費電力を界面で制御する。(滑り速度と摩擦の積であるため)
'松井'訳
さらにすべり速度は,境界面からの熱伝導の比較的重要さを決定する.低い速度では,発生した熱が比較的速く伝わるので,境界面温度は依然として低い.その範囲では,すべり過程等温である.高い速度では,限られた熱伝導が起こりうる.境界面温度は依然として高く,その制限条件は断熱である.高い境界面温度は,表面の高い化学反応を起こす.たとえば空気中での酸化膜の急速な成長である.またそれは突起の機械的強さと表面近くの材料を弱め,極度の場合には融解を起こす.
'山田'訳
軽度と重度の摩耗の領域間の移行は、軽度の摩耗は酸化現象によって引き起こされ、軽度の摩耗は金属接触を伴い、それは一般に多くの金属で観察される。我々が見てきたように、それらは垂直荷重または摺動距離によっても生じる可能性がある。これは試運転(USブレイクイン)に関連している。試運転時に変化が起こると通常、重度から軽度の摩耗になり平面地形の平滑化、または酸化物の界面層の形成またはマルテンサイトなどの硬質層がある。
'鈴木(風'訳
重要な機械的応力は摺動体の面における垂直応力と面より下におけるせん断応力である.我々は2章において突起の接触における垂直応力は塑性接触条件下では押し込み硬さに近づくと見出した.しかしもし面がとてもなめらかならば,接触は弾性的なときはでぴったり一致するか低負荷である.垂直荷重はシステムにかかり,それ故突起の接触における塑性流動の程度は制御される..もし十分に荷重が小さいか,面が十分に一致するとき,摩耗は非常にゆっくりになる,それは弾性的過程になる.