第02回英文輪読04月12日
'青山'訳
鉱油の粘度はその組成に強く依存し、より高い粘度はより高い分子量と関連する。潤滑油としての油の適合性を決定する際にも重要な性質は、その粘度の温度依存性である。2つの異なる油の挙動を図4.2に示す。両方の油は室温で同じ粘度を有するが、オイルAはBよりも高い温度で急速に低下しない。オイルAはBよりも高い粘度指数を有すると言われている。粘度指数(VI)は、その油の挙動と既知のVIの2つの参照油の挙動を比較することによって定量化される。スケールがはじめに確立されたときに選択された基準油は、任意に0および100のVI値が割り当てられたが、この範囲外の粘度指数が現在一般的に見つかっている。ほとんどの市販の潤滑剤は、約100のVI を有する。すなわち、広範囲の運転温度を経験する、一般的に約150のVIを有する自動車用マルチグレードオイルのような油のために高い値が必要とされる。ポリブテンまたはポリアクリル酸のような適切なポリマー添加剤は、オイルの粘度指数を増加させ、潤滑油中の粘度指数向上剤として使用されることが多い。しかしながら、高いせん断速度の条件下では、これらの添加剤はその有効性を失い、次いで粘度が急激に低下しうる。図4.3は、低せん断速度で同じ粘度値を有する2種類の鉱油におけるこの効果を示す。オイルA はプレーン鉱油であり、Bは粘度指数向上剤を含むマルチグレードオイルである。
'岸'訳
油の粘度もまた静水圧に依存し、かなり密接に指数関数的依存で従う。式(4.4)のη0とαは特定の油で定数となり、Pは静水圧である。αは鉱油がゼロ圧力(大気圧)での粘度に関係することが実験的に示されており、η0との関係式は、式(4.5)でη0はセンチポアズであり、αの単位はPa^(-1)である。
'金籐'訳
様々な添加物が鉱油の潤滑のクオリティを向上させる、あるいはそれらの寿命を長くする目的でしばしば用いられる。上述の年度指数向上剤が提唱されてきた。極圧や境界潤滑が加えられることもあり、それらについてはセクション4.6において議論がなされる。他の減摩耗添加物についてもまた滑り摩耗を軽減する。低温のパラフィン系オイルは厚くなり、また、蝋のようになる。とある複雑なポリマーは低温時のフロー特性と向上させる目的で、流動点降下剤として加えられることもある。オイルは動作中に酸化されることによって質が悪化する。自然に起こる酸化現象は鉱油中で発生するが、添加剤とともに抗酸化剤が頻繁に投入され、酸性物質の酸化を中和させる。洗浄剤、分散剤もまたオイルの酸化や熱劣化を防ぐために加えられる。
'笹原'訳
いくつかの効果のために、潤滑油としてグリスはオイルより好ましい。グリスは薬剤によって濃度をあげて固体か半液体になったオイルから合成されている。ほとんどのグリスは無機オイルを合体させるにもかかわらず、グリスは特殊な効果(たとえば、シリコングリスは超高温または超低温で使われる)に使われている合成オイルをベースにしている。濃度をあげる薬剤として、しばしば石鹸(すなわちカルボン酸金属塩)や粘土鉱物(たとえばベントナイト)が使われている。カルシウムかリチウム石鹸をベースにしたグリスは、一般的に使われている;カルシウムグリスは比較的安く、一方でリチウムグリスは広範囲の温度に対して耐性がある。油に使われるそれらの類似した添加物は合体できる;EP添加物が使われることがよくある、黒鉛と二硫化モリブデンなどといった固体の潤滑油と一緒に。
'佐藤'訳
その半固体の濃度により、グリスは油よりもベアリング面からの変位は容易ではない。したがって、重力下ではベアリングから排出されず、また非常に効果的な[スクイズフィルム]潤滑剤を形成する(下記参照)。グリスは汚れや水分による汚染に対しても良好なシールをもたらす。しかしながら、油と異なり、グリスは摩擦熱を滑り面から逃がすのに非常に劣った手段となり、そのうえ、粘性力のために通常は油よりも高い摩擦をもたらす。
'鈴木(翔'訳
流体潤滑状況下のすべり面は流体潤滑油による比較的厚い膜によって分離されている。そして垂直荷重はこの膜内の圧力によって支持されていて、その圧力は流体力学的に発生する。 流体潤滑にとって向かい合う表面はコンフォーマルでなければならない。つまり、それらが比較的広い範囲にわたった小さな隙間によって分離された寸法においてぴったりと一致しなければならない。 図4.4はコンフォーマルな表面の例である。 もっともシンプルな形状が向かい合った平面によって与えられる(図4.4(a))。シャフトベアリングを回転させるための一般的な形状は図4.4(b)に描かれている通常のジャーナルベアリングである。 2平面間の隙間は潤滑液で満たされている。それは油やグリース、また、あまり一般的でない水、空気、他の液体やガスである。
'田村'訳
流体力学的潤滑における通常の荷重を支える圧力は、潤滑剤内の粘性力に起因し、その結果、2つの表面の相対運動に起因する。摺動面間に流体力学的膜を形成するためには、それらの間のギャップが収束しなければならない。従って、幾何学的形状は、図4.5に示すようなものでなければなりませんが、ここでは収束の度合いが分かりやすくするためにかなり誇張されています。表面の分離と収束角は一般に非常に小さい:油で潤滑された平滑ジャーナル軸受は、ジャーナル直径の1000分の1のオーダーの平均潤滑油膜厚さを有するが、最大および最小フィルム厚さは、 4倍または5倍の違いがある
'松井'訳
流体潤滑膜内部の圧力分布はレイノルズ方程式によって述べられる.それは層流流れの一般的な式(ナビエストークス)から得られる.その膜はほかの大きさと同じくらい小さく,最も大きな力は粘度によるものである.これらの簡単化にもかかわらず,レイノルズ方程式の一般形はすぐに分析的に解かれるのではない.さらなる簡単化が関心のある多くの問題のために成しえる.レイノルズ方程式の詳細な議論と展開のために,ベアリング設計の利用とあわせて,読者は章末に油をさす理論の載った専門文書を言及される.
'山田'訳
流体が非圧縮性(例えば期待ではなく液体)であり、その粘度の変動が無視される場合、問題はより簡単である。図4.5(a)に示すようにウェッジを形成する二つの平面の共通接線を流れる重要な場合について検討する。距離xに対する圧力pの変化は単純化されたレイノルズ方程式 dp/dx=-6ηU(h-h*)/h^3 ここでh*は面から離れるときの最大圧力点(dp/dx=0)であり、Uは流速であり、他の量は図に定義されている通りである。
'鈴木(風'訳
このタイプはすべり軸受に属し,ティルティングパッドといい直線上の案内面で使用できる.あるいはリングに当て物を付け継ぎ輪で囲まれた構成のスラスト軸受の回転部は軸の負荷を支えられる.圧力分布は積分方程式4.6式に境界条件x=0及びx=Lでp=0を適用し表される.更に積分で軸受で支える通常負荷が与えられる. 式4.7,4.8 そこで,n=h1/h0-1.Kの数字上の意味は入口と出口のすき間の膜のみに従属するが,実際はどちらかといえばその比率には影響しない.ティルティングパッド軸受における最大負荷のとき,およそh1=2.2h0.またK=0.027.