第05回英文輪読04月26日
'青山'訳
非常に高い負荷または低い滑り速度において、フィルムの厚さがさらに減少しλが1より小さくなるとき、滑ると同時にますます深刻な表面損傷(セクション5.8で議論するスカッフィング)が起こり、スカッフィングが存在する場合、そのシステムの挙動は決定的に境界潤滑油の性質に依存する。これらは次のセクションで議論される。
'岸'訳
とても高い接触圧力、また、とてもすべり速度が遅いもとでは、流体の力はすべり面の間の薄いEHLの膜でさえ維持するには不十分であり、表面突起の間で直接接触が起こる。表面が適した境界潤滑によって守られていない限り、高い摩擦力や摩耗率は、勝るであろう。境界潤滑剤は、表面上に付着した分子膜を形成することにより作用する。膜間の斥力が荷重の大部分を担い、凝着や凝着部の成長に関連した非保護の表面突起の密接な接触が防止または制限される。
'金籐'訳
図4.10は一般的な境界潤滑剤、特に長鎖のカルボン酸の金属表面上での作動のメカニズムを説明している。潤滑剤分子は金属表面上に存在する酸化膜に強固にくっつく末端基によって吸着する。分子鎖は吸着表面に対して垂直に整列する傾向があり、それらは相互の反発作用によって安定し、また一般的に2〜3nmの疎水性鎖のデンス層を形成する。二つのデンス層が一緒になると、炭化水素鎖の相互作用によって垂直抗力の大部分が軽減され、むき出しの凹凸接触面はごくわずかになる。摩擦力は非潤滑すべり下よりも小さく、わずかな磨耗は発生するが、それでも、表面が覆われていない場合よりも十分に摩擦は小さい。
'笹原'訳
この種類の境界潤滑による摩擦の低下はそれの分子量に比例し,それゆえに炭素水素鎖の長さに比例する. 図4.11は鉄道氏のとても遅い滑り時の摩擦係数が境界潤滑分子の大きさとともにどのように変化するかを示している.(これらの実験では,直鎖アルコールとカルボン酸についてである) これらの分子のために、かなりの化学親和力が酸または水酸基と金属酸化物の間に存在します、そして、吸着プロセスはある程度の化学反応を含みます.(化学吸着) 分子チェーン長は、直鎖飽和炭化水素のために摩擦に対する類似した影響を真空で気相から吸収しておきます. 重要な影響は、非常に短いチェーン(1、2の炭素原子だけ長く)でさえ、起こります.
'佐藤'訳
多くの油は,自然に境界潤滑特性を有するいくつかの分子種を含む.ヒマシ油およびナタネ油などの植物油は,鉱油よりもより自然な境界潤滑油を含む.油の境界潤滑作用は,定性的な用語である油性および潤滑性に関連する.実際の用途では,通常,追加の境界潤滑剤添加剤が油中に組み込まれる.これらは通常は,ステアリン酸(=オクタデカン酸)やカルボン酸アミド(例えばオレイン酸アミド)のような長鎖カルボン酸(脂肪酸),ステアリン酸ブチルのようなエステル,またはアルコール(例えばセチルアルコール=ヘキサデカノール)であり得る.原則的に,一分子だけの厚さの境界潤滑剤の層による表面の完全な被膜は,保護のために十分である.したがって,境界潤滑剤は,油中において非常に低い全体濃度で効果的である.通常は,約0.1%〜1%が添加される
'鈴木(翔'訳
もう1つの境界潤滑性をもつ分子の種類は極圧添加剤と耐磨耗添加剤から成り立っている。 それらは低いせん断強さをもつ化合物を得るために接触領域における厳しい条件下ですべり面と反応する物質である。 このようにして必要な位置に正確に潤滑膜を形成する。 そもそも接触領域での高い圧力はそれらの添加物の働きの役割をすると考えられていた、したがって極圧という名前である。 しかし、とても薄いEHL膜における摺動や突起の急速な塑性変形(5.5章参照)が関連した一時的な高温はより重要であるということが現在明らかである。
'田村'訳
このタイプの添加剤は、通常、硫黄、リン、またはあまり一般的でない塩素を含む。そして、金属表面に吸着させて、接触領域で反応させることにより機能する。局所的な硫化物、リン化物または、塩化物の膜を形成。それは、容易に剪断されたものである。おそらく最も広く使用されているEP添加剤は、ジアルキルジオリン酸亜鉛、リン酸トリクレジルおよびジベンジスルフィドである。これらの3つの化合物の構造は、図4.13で示す。EP添加剤が作用する正確な機構はまだ不明である。それらの間には、明確な効果かあり、その他の添加剤やベースオイルが含まれていて、ミクロスケールの微小EHLも役割を果たすという証拠がある。
'松井'訳
一般的に,動くのに必要な接触状態が強くなると,極圧と必要な耐摩耗添加剤の活性度が高まる.金属表面と反応するこれらの化合物と表面の摩耗は,すべりにおいて避けられない.不十分な極圧保護がなされたときのスカッフィングによる機械的損傷と,添加物による過度の化学的侵食のつりあいはしばしばちょうどよい.
'山田'訳
軟質金属の薄膜は固体潤滑剤の別の種類を構成する。3.4.3に示されているように、硬質基材上の薄い軟質金属層上を摺動する摩擦係数は、μ=τi / po 容易に推定できる。ここでτiは膜のせん断強度であり、poは基材にかかる圧力である。摩擦力は膜の材料のせん断強度によって決定されるが通常の荷重は基盤の変形によってもたらされる。したがって、2つの量τi およびpoは独立して変化させることができμの値は低くなる。鉛、スズ、インジウム、銀および金は通常、電気めっき、物理的蒸気またはスパッタリング(第8章を参照)によって堆積された固体潤滑剤膜として広くうまく使われてきた。対象的にこれらの軟質金属のバルク試料の摺動摩擦は非常に高いものの、摩擦係数は非常に低くなり得る(例えば鋼スライダを備えた鋼機材上の膜ではInは0.06、Snは0.09、Agは0.20である)。金属膜の厚さが変化すると摩擦係数が変化する。図4.14に硬質工具鋼のインジウム膜の挙動を示す。摩擦を最小限にするために最適な膜厚が存在する。より薄い膜はベース金属間の凹凸接触を防止することはできないが、より厚い膜の摩擦挙動は軟質金属のバルク試料上を摺動するときと似ている。
'鈴木(風'訳
3.7,3.8節で見たように黒鉛,モリブデン,ポリテトラフルオロエチレンは,適切な条件のもとでは低い摩擦係数を示す.それら3つの材料は固体潤滑剤として大半の用途で要求される.それらは薄くコーティングして用いられ,合成軸受材料の中に含まれるか(9章参照)黒鉛,PTFEの場合,大半の軸受材料で使われる.また,黒鉛と二硫化モリブデンは,乾燥粉末状態で交換できる,またそれらは,一般的にサスペンションの粉体として潤滑油とグリスが一体となっている.それらは過酷な接触環境下もとでも中に届いて役割を果たし,境界潤滑特性も持つ.