第11回英文輪読
'青木'訳
ヘルツコーンの亀裂の形成や交差による材料除去のモデルは指数mとnの値が材料のワイブル定数と関連付けるべきであると示している．それは，サンプルか表面領域の間の破壊応力の統計上の分布を表す．そのようなモデルでは，mの値は一般的におおよそ1をとり，そして2.6~3.0の範囲の速度指数mをとる． より一般に，実際見られる角ばった粒子については図6.14に示されたタイプの弾塑性破壊によるエロージョンについてのモデルがより適用可能である．材料は横の亀裂がお互いや表面との交差により除去されると想定される．
'石黒'訳
進入に抵抗している圧力が表面の準静的な硬さ（式6.21を導いているモデルの場合）であるという推測，もしくは衝撃圧力を決定する為の動的な波動伝搬モデルを使うことのどちらか一方によって，これらのモデルは衝撃中，粒子に与える接触力を推定する．その時，接触力は半経験的な分析において形成された水平なクラックの深さや範囲を予測するために使われ，そしてこれ故脱落した材料の体積も予測できる．接触力を推定する二つの異なった方法はわずかに異なる侵食率の予測を導く．一番目（準静的）の方法は式6.28で与えられる侵食量（単位侵食性粒子量あたりの脱落量，E/ρ）を予測する． E/ρ∝r^0.7 U^2.4 (σ^0.2 H^0.1)/K_c^1.3 動的モデルは式6.29の結果をもたらす． E/ρ∝r^0.7 U^3.2 σ^0.3/(K_c^1.3 H^0.25 ) 式6.28と6.29の間では実際にはほとんど違いはない．両方は粒子密度に対しエロージョンの依存はかなり弱いと予測する．
'影山'訳
耐侵食性を決定する最も重要な機械的特性は、はるかに重要でない硬度（H）も用いるが、破壊靱性（K_c）であることに注意する。塑性変形によるエロージョンのモデルとは対照的に、これらのモデルは粒径rでのエロージョンの依存度を予測する。 脆性材料のエロージョンの実験研究において、表面から失った質量または体積は図6.32で示したように、そして前段落で論じたように、侵食性の粒子の全体の質量に直線的に依存する。ある潜伏期の挙動は定常状態の前に観測されるだろう。2から4の範囲で速度の指数は一般に見つかり、それは先に論じられた学説により予測された範囲を取りかこんでいる。実在する粒子の大きさでのエロージョンの依存度もまた、一般に0.7から1の間に渡っているrの指数で見られる。異なる材料間でのエロージョンの大幅な変化が見られ、慣習的な機械的試験で測定された破壊靱性K_cと硬さHの値での相関性を発見することを試み続けている。
'木村'訳
この結果はいずれかのひとつの理論の予測はよく一致するわけではない。例えば、図6.41は角のある炭化ケイ素粒子による一連の脆性材料エロージョンに関する実験のデータを、式6.28と式6.29の予測に対してプロットしたものである。両方のプロットにおいて測定されたエロージョンとK_cとHの関連がある組み合わせの間には公正な相関関係があるが、その線の傾きは理論上の予測された値1.0よりも多きい。それらのデータでは、動的理論(式6.29)は純正的理論（式6.28）よりもわずかにより一致するが、その違いはおそらく重要ではない。 これまで議論したモデルは侵食された材料は均質であり等方性があると仮定されるが、脆いメカニズムによって侵食されたいくつかの重要な材料はエローシブ粒子によって起こされた損傷の規模において不均質である。
'今野'訳
例としては、超硬合金（サーメット）、セラミックまたはポリマーマトリックスを含む他の合成材料、反応性結合炭化ケイ素などの二相セラミック、およびかなりの数の微小亀裂、細孔または含有物、または粒度の弱い境界が挙げられる。 セラミック材料 これまでのところ、これらの材料の腐食について満足のいく予測モデルは開発されておらず、材料除去のメカニズムさえ明らかにされていない。 横方向亀裂に基づくモデルは侵食速度を正確に予測しない。 例えば、図6.41では、多結晶MgOのエロージョンレートと他の材料のエロージョンレートの違いは、MgOサンプルの衝撃損傷の性質と関係があり、MgOサンプルは粒界に沿って破裂する傾向があり、横方向の亀裂は発生しません．
'澤'訳
私たちは、エロ―ジョンが式6.20によって定義され、その衝突角度への依存性は摩耗が起こるメカニズムによって異なるということを見てきた。塑性変形が支配的なら、浅い角度で最大の摩耗が起こるが(図6.33曲線(a))、脆性破壊によるエロ―ジョンは垂直入射の場合に最も速い(図6.33曲線(b))。これらの二種類の挙動は特徴的なので、たびたび延性エロ―ジョン挙動や脆性エロ―ジョン挙動といわれる。しかしながら、エロ―ジョンの角度依存性は、ただ材料の特徴だけでなく、エロ―ジョンの状況にも依存するということに注意することが大切である。
'長谷川'訳
例えば、硬い角のある粒子によって、侵食されたほとんどの金属は一般的に「延性」の挙動を示すが(図6.33(a))、軟鋼のような延性のある金属でも球状粒子による侵食は、摩耗が依然として純粋な塑性加工によって生じるが、明らかに「脆い」角の依存につながる。高硬度および低延性の合金もまた、垂直入射でそれらの最大浸食速度を示す。異なる熱処理後の低合金軸受鋼の例を図6.42に示す。比較的低い硬度および高い延性では、鋼は特徴的な「延性」挙動を示す。一方、顕微鏡検査は脆性破壊の兆候を示さないが、高硬度では明らかに「脆性」挙動を示す。したがって、浸食の文脈における「脆い」および「延性」という用語は注意して使用する必要がある。
'目黒'訳
大きく異なる容積のノズルは、異なるアプリケーションに使われる可能性がある。実技テストは直径約1mmから50mmにまでわたって保護している。小さいノズルは試験片において小さい範囲の摩耗に対応するという結果になるが、ただ流動体と粒子の低い流量だけを必要としている。より大きいノズルは粗野なセラミックス材料や複合材料のような大規模な異質の微細構造のある試験材料により適しているが、それ相応に流体と腐食物のよりよい供給を必要とする。10m/sから100m/sの範囲における衝突速度は容易に達成できる。だけれども、より速いスピードのノズルでの長い加速距離は、ガスボーン粒子が可能である。この種のたいていの試験では、粒子はただ一度だけ使用され、衝突による粒子の劣化というどの問題も排除している。しかしながら、とても大きいノズルでは、要求された腐食物の量は、粒子の再循環を必要不可欠にするかもしれない。そしてケアはそのとき、浸食率がその試験の間、腐食粒子の分裂あるいは摩滅のために落ちないということを保障するためになされなければならない。
'石﨏'訳
エロージョン粒子の衝突が表面に大きな加工硬化をもたらすだけでなく, ごく微小な時間において材料が変形するほどのとても大きなひずみ速度を与えることは覚えておく必要がある. このひずみ速度の説明には, この章の初めで議論された粒子が垂直に衝突する単純なモデルが用いられているものがある. 硬質プラスチックの表面に球形粒子が垂直に衝突する場合, 式6.26で表される. ε=(2^(3/2)×U^(1/2))/5πr (3H/2σ)^(1/4) (6.26) ここでεは平均の塑性ひずみ速度, σは球形粒子の密度, rはその半径を示す. 図6.40は式6.26から導かれた, 軟鋼にシリコン粒子が衝突したときのひずみ速度を表している. エロージョン粒子によって生じるこの変形は, 一般に秒速10^6のひずみ速度を生じさせる. そのような高いひずみ速度では, 従来の冶金強化機構（析出分散強化や固溶強化, 結晶粒微細化などによる強化）はほとんど意味をなさない. 同じ系統の合金の間でエロージョン速度の違いが無視できる場合, それが準静的な硬さで大きな違いがあったとしても, 少なくとも部分的にはエロージョンに関わるとても大きなひずみ速度が生じていると考えられる.
'加賀谷'訳
6.4.2 脆性破壊によるエローシブ摩耗 腐食性粒子の衝撃が脆性破壊を引き起こすとき、材料は亀裂の形成および交差によって表面から除去される。6.3.2節で過酷な摩耗の場合に見たように、たとえ摩耗粉のデタッチメントの原因となるメカニズムが脆性破壊であったとしても、角のある粒子の接触点の周りには、材料内に塑性流動があることもよくある。衝撃によって生じる亀裂パターンは準静的圧痕によって生じる亀裂パターンとは詳細に異なりますが、それでもやはり図6.14に示す一般的な形態は、材料が均質で脆く粒子が十分に硬く角張っている場合に観察される。より丸みのある、またはより柔らかい粒子は、図5.28に示される形の純粋に弾性的な変形および円錐形のヘルツ状の破壊を引き起こす傾向がある。
'大谷'訳
衝撃方向が表面に垂直の時, 粒子衝突によるクラッキングの程度は, 最もひどい. そしてこれらの状態下でのエロージョンは最も早い. 図6.33では, 曲線(b)は, 摩耗が脆性破壊によって起きる, 一般的な場合における衝突角度による腐食の依存を示している. 摩耗が塑性変形(曲線a)によって起きるときの挙動と対照的に, エロージョンは90度から離れた角度で単調に落ちる.脆性墓によるエロージョンのためのモデルは主に直角入射での衝突のため成長する. モデルの大部分は上記で説明した２のうち１つのクラックパターンを予測する. そしてその形式の表現を導く,