第05回英文輪読

'青木'訳

固定荷重Wと見かけの接触面積Aについて,私たちは粒子の大きさの平方根によって摩耗率が増加すると予期するだろう. 破壊を含むアブレシブ摩耗についての他のいくつかのモデルは,位置や亀裂の原因についての様々な想定に基づいて提案されていた.いくつかは材料の特定のクラスに唯一適用できる.例えば,図6.17はねずみ鋳鉄で摩耗がどのように起こりうるのかを示していて,それは脆性グラファイトの一片を含んでいる.アブレシブ粒子が表面を滑るときに表面にかかる摩擦牽引力は,グラファイト層の平面上で滑り方向に対して垂直(もしくはほとんど垂直)方向の亀裂を引き起こした.材料は表面に平行なせん断亀裂の拡大によって,アブレシブ粒子の貫通深さに等しい深さで引き離される.

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'石黒'訳

それゆえその破片の大きさはこの深さや黒鉛の薄片中のクラックの幅(図6.17(b)の2c),黒鉛の薄片の平均離脱λにより定義される.粒子Nのためにこのモデルは摩耗率を導く,式(6.14)によって与えられる. Q=α6 N (w^(3/2) H^(1/2))/Kc^2  (6.14) α6はその装置の摩擦係数と粒子の形状,黒鉛の薄板の空間的な分配の組み合わさった係数である.wやH,KcについてのQのちょうど同じ関数従属性は摩耗の同様の分析を微小クラックやもろい粒子境界を含む材料中の破砕によって見られる.もちろん,鋳鉄において破砕を引き起こす為にそれぞれの粒子の荷重が十分な量である時,これらの分析は唯一有効である.この状態は式(6.8)と同じように関係性によって決定する

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'影山'訳

ここで記述された脆性破壊による摩耗のモデルはいくつかの重要な共通の特徴を持っている。それらは可塑性の機構のせいでそれらよりも摩耗率がかなり高いと予測する。例えば、図6.15と図6.17で、割れ目で包囲された体積は塑性溝から除去されたものよりも非常に大きい。それらは摩耗率が運用荷重と直線的よりももっと急速に増加するはずだと提唱している。この点でこのモデルはすべり摩耗において塑性モデルの場合とアーチャードの方程式の場合で仮定された直線形の依存から著しく外れる。前文で見てきたが、これは摩耗率と塑性変形と関連付けられた寸法効果から完全に異なる原因である研磨粒子の大きさの増加へと導いている。モデルは単に摩耗率と材料の破壊靱性のいくつかの強さを予測し、じん性の依存度は硬さの依存度よりも大抵強い。最後に、それらは単に、破壊による摩耗はそれぞれの研磨粒子の限界荷重が超える時、生じるだけということを提唱する。

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'木村'訳

この最後の点は重要である。それはもし接触領域でアブレシブ粒子が十分に小さく、数多くある場合各々にかかる荷重が亀裂を起こすのに必要な閾値wを下回るかもしれないということを意味する。(式6.8)これは観察が必要である。例えば、ソーダ石灰ガラスでは、単一の鋭利な粒子に約0.1〜1Nの荷重が押し込み破壊を起こすのに必要とされる。この閾値の下では硬いアブレシブ粒子は塑性変形だけを起こし、6.3.1章で説明された塑性加工によって磨耗が起こる。幅約1μmまでの可塑性の引っかき傷はガラスに形成されるが、通常は破壊を除いてとてももろいと考えられている。したがって、脆性素材の磨耗メカニズムは荷重の増加や粒子の大きさに伴って変化することがわかる。これは、この影響によるものである。低荷重または小さな粒子では、破損は抑制され、アブレシブ磨耗は塑性加工によって起こる可能性がある。より大きな荷重またはより大きな粒子では脆性破壊が起こり、磨耗率の急激な増加につながる。

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'今野'訳

我々は塑性変形を支配するメカニズム(6.31節)あるいは脆性破壊(6.32節)のいずれかによってどのようにアブレッシブ磨耗が生じるのかをみてきた.第一の場合対向面の硬さがその磨耗率を決定づける重要な要因ですが,一方で第2の場合硬さは依然として役割を果たすが破壊靱性がより重要です.破壊靱性が低い材料でさえ破壊が常に発生するわけではありません.例えば高い垂直荷重下での大きくて硬い角ばりのあるアブレッシブ粒子の場合厳しい接触条件の時好都合である.破壊が重要でない状況下では材料のアブレッシブ磨耗に対する耐性とその押し込み硬さとの間には公正な相互関係が見られる.図6.9は純金属と鋼のこの挙動を示していて,図6.18ははるかに広い範囲の材料の性能を示している. 図6.18で示される傾向はアブレッシブ粒子が研磨される材料と比較して“硬い‘場合にのみ見出されることを強調しなければならない.セクション6.21で見たようにそれらの押し込み硬さは表面の硬さの少なくとも約1.2倍でなければならないことを実際には意味している.

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'澤'訳

図の6.18から、材料の各々の一般的グループの中で耐摩耗性と硬さに相互関係があるのに対し、異なるグループの中では同じような相互関係は見られないことは明らかである。例えば、ねずみ鋳鉄、白鋳鉄、そしてセラミックは同じバルク硬さを持つが、耐摩耗性においてとても本質的な違いを見せる。これらの違いの理由を手短に調査しよう。 同じ結晶構造を持つ純金属は一般にEとHの間に比例に近い関係を示すので、実際E?Hは一定の値となる。このように、与えられたアブレーション条件下では、Kの値はこれらの純金属の場合ほとんど変化せず、耐摩耗性1?Qは式6.5で予測されたように、Hに直接比例する。

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'長谷川'訳

6.3.1節を参照すると、摩耗メカニズムが塑性変形によって、支配されている場合、摩耗率を決定する上で重要な要素は(式6.5の係数kを介して)摩耗粉として除去された塑性溝容積の割合です。この割合は材料の種類によって異なります。E/Hの値が小さいと(弾性率(ヤング率)と硬度の比、6.3.1節を参照)掘り起しよりも切削による変形が起こりやすく、それに応じて溝のかなりの部分が摩耗粉として除去される。したがって、なぜE/Hが金属よりも低いセラミック材料が同じ硬度でより高い摩耗率を示すのかを理解できる。ポリマーはまた低いE/Hの値を持ち、したがって同じ硬度の金属よりも低い耐摩耗性を持つ。5.11.2節で述べたように、図6.19に示されるように、極限引張強さと伸びの積よりも(図5.35に挿入されている)ポリマーの研削摩耗速度と硬度との間の相関は一般的に劣っている。

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'目黒'訳

成分や微細構造という取るに足らない方法で弾性率Eが変化する調質鋼では、硬さの増加量がE/Hの減少量につながり、それゆえKがより高くなる。硬化鋼から得た利益は、それゆえにもしKが一定のままならば予想通りそれほど高くならない。より詳細な鋼の挙動の描写は図6.20で示されている。6.3.1節で説明されたように、磨耗過程はより厳密な表面ひずみでさえもたらすので、冷間加工による硬化は磨耗性に影響がない。これに対して炭素の増加量は、たとえその硬さが同じままでもより高い磨耗性へとつながる。硬さ上の耐磨耗性への依存における傾向の違いは異なる微細構造の鋼に見られる。オーステナイト鋼は、同じ硬さにおいてパーライト鋼やベイナイト鋼よりも大きい耐磨耗性を示す。ところが、マルテンサイト鋼はより低い耐磨耗性を示す。

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'大谷'訳

方程式6.11と6.12の重要な特徴は, いずれの場合にも各粒子にかけられて垂直荷重w の指数であり, 1より大きくなる. これは側面の特徴による摩耗率は垂直荷重に直接比例しないこと,このメカニズムと前セクションで論じた塑性変形を含むこれらのメカニズムの間の重要な違いを作るということを意味する. 荷重によるこの依存は, セクション6.2.3で論じられた局所的な流動応力での結果から完全に異なる摩耗率による粒子系の明白な影響をもたらす. もしわれわれがなおその上にアブレシブ粒子Nが各々の運動する同じ垂直荷重wz表面の面積に広がっていると推測すると,荷重w に適用された合計はN w である. もし粒子が1つの長さならNはAd-2に比例するものだ. (これは粒子の中にあるパターンがアグレシブ摩耗のいくつかの原因として推測される合理的なd に比例して変化する表面に分布されるという考えです.) 摩耗率を表すための式6.12をとる. それは全ての粒子が式(6.13)によって受け取れることによって取り除かれた量ごとの滑り距離ということに従う. Q=α5(w^(5/4)d^(1/2))/(A^(1/4) Kc^(3/4) H^(1/2) )

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