第01回英文輪読
'アルデル'訳
硬い粒子がすべり面の隙間に存在したら、摩耗の機構が多少違っていて、6章で述べたように同じような現象で硬い粒子が表面に衝突し、侵食による摩耗が起こる。 この章ではいくつかのデザインで使われている摩耗速度評価方法を検討し、あらゆる状況の摩耗を減らすために改善点があるかどうかを調べよう。 7.2摩耗率の見積もり 3つの設計者に使われている摩耗速度評価方法がある。1つ目は、初期設計にあまり役に立たないが、稼働しているシステムの最長寿命を予測するのに重要で、実際に存在しているシステムの摩耗速度を測定することである。例えば、侵食による摩耗の測定がまだ使用できる状態のスラリー輸送パイプラインに行ったら、パイプが臨界厚さまで摩耗する時間の見積もりができ、(内圧の耐性に応じながら適切な許容範囲に伴うこと次第)したがって有用寿命が予測できる。
'清野'訳
衝突速度の不確定性は浸食実験において最も大きな誤差の原因となる.それは,別の研究所で同じ材料を用いて理想的な条件下で繰り返しても大きく異なった結果をもたらすことがある.図6.51は異なる5つの研究グループによってこの方法で行われた低炭素スチールの一連の適切に管理された実験の結果を示している.5つの研究所の測定した浸食の違いの平均は24%であり,その誤差のほとんどが,恐らく速度の測定値の不確定性で説明される. 速度の8~10%程度の変動は浸食におけるこの次数の変動を説明するだろう.
'馬場'訳
たいていの材料では、中くらいの流量でこれは正しい。ただし、非常に多い流量の場合、エロ―ジョンは、表面に衝突する粒子とその表面から跳ね返る粒子との相互関係に、または運動エネルギー散逸率が高い状況下で表面が加熱されるときの熱効果によって影響を受ける可能性がある。 このような影響は、鋼材では約1 kgm-2s-1を超える流量、及び熱拡散率が低い材料では流量がやや少ないときに重要になる可能性がある。したがって、実験室でのエロ―ジョン試験では多い流量を避ける必要がある。
'秋澤'訳
前節で見てきたように、粒子衝突速度はもっとも重要な変数であり、それは侵食速度に影響を与える。侵食試験において、速度を一定に保ち、出来ることなら性格に知られていることが特に重要である。スラリーの侵食試験において、粒子速度が液体の速度と同じだと仮定するのが、時に合理的である。そしてそれは良く単純な方法で測定される。ジェット衝突試験において、例えば決まった時間に周知の寸法のノズルを出るスラリーの量はスラリージェットの流出速度の直接的な基準を与える。しかしながら、浮遊粒子についてのたいていの試験方法では、粒子速度の独自の測定が必要である。多重フラッシュ撮影、レーザードップラー流速計や回転円盤はすべて潜在的に役に立つ。
'福島'訳
全ての潜伏期間を明らかにし、潜伏後の定常状態での摩耗率を正確に測定する実験手順を使用するべきである。 結果が実際の応用に利用される場合は、実験室での試験に使われる粒子は慎重に選ばなくてはならない。粒子の大きさが実際の場合の物と同じであるだけでなく、粒子の材料や角張りも同じである必要がある。アブレシブ摩耗で見たように、粒子の材料は摩耗率と同様に摩耗のメカニズムにも影響を与え得る。極端な場合では、異なる粒子の使用によって相対的な腐食率での材料の序列さえ変わり得る。
'兼田'訳
経済的な理由から、これらの三番目の方法の図. 6.49 に示すような方法がよく用いられる。粒子の流れは、一対のディスクの一方のスロットを通過し、共通のシャフト上で高速で回転する。粒子は2枚目のディスクに衝突し、跡を作る。2番目の跡は、ディスクが静止した状態で粒子の流れがスロットを通過するようにすることで作られる。第2の跡に対する第1の跡の変位は、単純にディスクの回転速度と、ディスクを隔てる距離の間の粒子の飛行時間に関係している。この方法で測定された速度の偶発的誤差は通常±10%ですが、回転するディスク自体が粒子の流れに与える空気力学的な影響により、系統的な誤差が生じることがある。
'廣川'訳
浸食された表面で化学反応が起きるとき、浸食測定についての粒子流れの更なる効果が起こる可能性がある。これらの反応は、必ずしも必要でないが、従来の腐食プロセスである可能性がある。例えば、天然ゴムの浸食が少ない流量で強く粒子流れに依存すると分かった。おそらく、粒子衝突サイトの材料の局所酸化性発作による。この依存は、ゴム配合への酸化防止剤の取り込みによって除去できる。孵化動作は、浸食試験の紛らわしい結果につながる。もしそれが認められず、考慮されないならば。例えば単一の期間の間や単一の量で一つの材料を試験することや、結果として生じる質量または体積の損失を考慮して、浸食の信頼できる尺度を表すことは危険である。
'今野'訳
この誤差は10%からもしくはそれ以上にもなるかもしれない。 それは、小さな分子や低密度な分子にはさらに難しくなる。図6.50は、50μmの炭化ケイ素やアルミナの分子のダブルディスク法における系統的な誤差を表す。 それらはLDVを使って、さらに正確に分子の速度の計測をして決められたもの。 回転円盤法では、これらの小さな分子の本当の速度より一貫して10%?15%小さく見積もる。 噴流衝突装置では、試験片をノズルの先から隔てることで衝突速度を変えることも可能にする。 試験片の表面に近づく気体流が逸らされ、分子の速さと動く方向を変えるから。 ここで再び、LDVはダブルディスク法より、本当の衝突速度をより正確に見積もると言える。
'本田'訳
エンジニアリングシステムの性能の要因である摩耗は、デザインにおいてしばしば無視される。しかし、一章で見たように、摩耗はたくさんのケースにおいて重要なメンテナンスコストや代替コストにつながる。また、生産ロスや稼働率低下につながり、それは経済的損失になる。加えて、摩耗はよく機会の稼働において効率の低下を引き起こす。それは機械のオーバーホールや交換を行うことを正当化するのに十分なほど機械が稼働する前に引き起こす。それゆえ摩耗はデザインプロセスにおいて早期に考慮すべきで、ただ一度サービストライアルが、それが問題だと見せた結果論とするべきでない。設計者は摩耗の状況において主に2つの考えることがある。稼働中に著しい摩耗が引き起こされるかどうかを確立すること、そしてもし摩耗が起こるならば、設計上の制約と経済性が許容でいるレベルまで摩耗率を減らすことである。
'高内'訳
摩耗試験で、重要でありときには無視される変数は、表面に衝突する粒子の流れであり、粒子の数またはその総質量として特定され、単位時間当たりの単位面積に衝突する。摩耗試験は通常、一定時間または一定量の摩耗粒子で行われるので、流れは表面の個々の点がさらされる衝撃の数および連続する衝撃間の時間間隔を決定する。浸食摩耗の実際の場合、粒子の流れは弱くなる可能性がある。それにも関わらず、妥当な時間内に測定可能な摩耗を得るためにより強い流れで実験室での試験を行うことができる。このタイプの試験は加速試験と呼ばれている。もし加速試験の結果を実際の条件下で摩耗を予測するために適用する場合、摩耗に対する粒子の流れの影響が重要ではないことを明らかにする必要がある。