Research
過去の研究内容
シュリンクフィッタを用いたレーザ微細加工装置の研究
一般的にレーザ加工機においては加工物の移動には機械的なステージやロボットアームを用いています. この方法では広いエリアに対して高精度に加工を行うことが可能な反面,ステージやロボットアームの移動速度が遅いため加工に時間を要するという欠点がありました. そこで本研究室ではガルバノミラーとシュリンクフィッタによって組み込まれたfθレンズを用いることでこの問題を解決する新しいレーザ加工装置を開発しています. シュリンクフィッタとは本研究室で開発された樹脂製のリング状をした機械要素であり,レンズと鏡筒の間に挿入することでレンズの締りばめ接合を可能にしています. これにより各レンズの高精度な位置決めが可能となり,広い走査領域で微細なスポット径が実現できました. 本装置では加工領域100mm四方に対して繰り返し精度3σX=6.9μm,3σY=5.6μm,位置決め精度X=19μm,Y=13.8μmとなっております.
さらなる高精度な装置の研究
これまでの研究でfθレンズには特性上,理想光学からのズレである収差があり,高精度な加工を行う上で大きな問題となることがわかりました. この問題を解決するために収差を低減する適切な補正方法の検討を行ってきました. 今年度は装置の各要素が与える加工精度の影響を調べ,装置の調整方法を検討し,さらなる高精度化に向けた装置の研究をしています.