Research
現在の研究内容
摩擦面の平均面間距離その場計測手法の開発
二物体間の摺動面はその場観察することが難しく,実験結果から得られる摩擦係数を使い評価してきた.しかし,実際には刻々と変化する摩擦面 をその場観察するのは重要である.
これらの問題を解決するための第一歩として,一方を透明体とした摺動面をレーザ顕微鏡で観察する実験を試みる.
原理
摺動する試験板とレンズ凸面は高い面圧状態にある.
摩耗を続ける試験板は表面の微小突起が削られ馴染んでいくか,摩耗粉によって微小隙間が生じると考えられる.
その様子をレーザで観察すると,微小隙間は二面間の光路差に依存した輝度として検出される.
また,広視野レーザ顕微鏡は高速回転ミラーによってレーザスポットを広範囲に走査するため,本実験のような動摩擦の過程を観察するのに適している.
輝度Ii と面間距離di はコサインカーブの関係で表される.
そのため輝度から面間距離を求めるには逆関数を用いることで計算できる.
また,レーザ1波長分λ の輝度Ii には対応する面間距離di が4つ出現することになる.
そのため試験板の表面粗さを1/4λ 以下にすることで面間距離を求めることができる.
予定
今後は装置作成,装置を用いたデータ収集と既存の実験結果との比較検討を行いながら,様々な材料を調査していく.