Research
現在の研究内容
微小往復摺動試験による摩擦特性の評価
境界潤滑下における油性剤の影響 [現在の研究]
フレッティング摩耗は機械に悪影響を与える問題の一つとして重要で,乾燥摩擦や境界潤滑条件にて発生しやすい. しかし,境界潤滑条件におけるフレッティング摩耗が起こるメカニズムについては未だに研究段階の状態である. フレッティング摩耗対策として,油性剤は大きな役割を果たしているといえるが,油性剤の微小しゅう動条件下における摩擦,摩耗特性は明らかとなっていない. そこで本研究は微小往復しゅう動試験において境界潤滑条件における油性剤の摩擦,摩耗特性を明らかにすることにした.
高配向カーボンナノチューブ膜 [過去の研究]
工作機械の微小な位置制御は加工精度を高めるために重要な課題である. 滑り案内面の動摩擦係数と静止摩擦係数に差があるため,スティックスリップにより微小な距離の位置制御が難しくなっている. 高配向CNT膜は動摩擦係数と静止摩擦係数が近い値を有し,工作機械の微小な位置制御に優れたしゅう動材料であると期待される. しかしながら,CNTの微小な相対すべりにおける摩擦特性が明らかでなく,最適な設計ができないのが現状である. そこで本研究では,高配向CNT膜の接触面積に対して微小しゅう動摩擦試験を行い,高配向カーボンナノチューブ膜の微小往復しゅう動における潤滑摩擦特性の解明を試みた.
DLC膜 [過去の研究]
DLC膜は,高硬度・低摩擦係数・平滑性といったトライボロジー特性,化学安定性,ガスバリア性など,様々な優れた特性を有しており,広い分野で実用化されてきている. 摺動部品には,一般的に耐摩耗,低摩擦を得るためオイルやグリスが多用されているが,これらに含まれる局圧添加材,洗浄用の溶剤,Crめっき廃液から発生する六価クロム等の汚染物質を減らす傾向となっている. 有害化学物質の規制に伴い,それらの代替物質としてDLCコーティングが注目されている. また,工作機械や精密機器の高精度化や微細化が進み,すべり案内面においても微小変位下の摩擦が問題となってくることが予想され,微小変位下でDLC膜の摩擦特性を調べることは有用であると考えられる. 本研究では,微小しゅう動の繰り返し数に伴う摩擦係数の変化からDLC膜の摩擦特性を知ることを目的とし,ステンレス材にDLCコーティングした試験片を用いてDLC同士で乾燥摩擦させて湿度の影響などを調べた.