第09回英文輪読10月22日
'佐藤'訳
ヘッドとディスク表面はかなり近いので，ディスク表面は非常になめらかである必要がある． 研磨とエッチングで平滑になる方法を開発して，粗さ5nm以下となり記憶密度70Gbits/in2が可能になった． 最終的なディスク表面の粗さは基板の粗さに近くなる．
'定嶋'訳
非常に滑らかなディスク面は、記録ヘッドができるだけ間近で浮くことができるために望ましい一方、大部分のディスク基盤は実際は記録媒体が堆積される前に、少し粗くなり、そして記録ヘッドがディスク面に偶然に触れる場合に備えて、接触の真の領域と摩擦力を減らすのを助ける。 図2.9は、ディスク表面の演習の方向の周りで関連付けられた深さ2、3ナノメートルの小さな溝が基盤表面で作られるという研磨方法で、磨かれることによって粗くなった基盤のAFM像を表す。 短波長うねりはこの方向で関連付けられ、記録パフォーマンスはもちろん摩擦学の改善も手助けする。 縦方向の記録媒体のための磁気層が基盤の上にスパッタされるとき、円周方向の組織は、磁気が最高の記録パフォーマンスを得るために適切な水晶へ成長するのを助ける AFM像の小さな領域の上の粗さパラメータは、もちろん図2.8で滑らかな基盤より高い。 山から谷までの粗さRtは32.3オングストローム、平均粗さRaは4.8オングストローム、そして平方二乗平均粗さRqは6.5オングストロームである。 図2.9の底は、テクスチャの基盤のAFM像のz高さの分布を示す。 ハイポイントの除去と、表面での溝の作製の研磨プロセスのために、この高さ分布はガウス分布によって近似できないが、その代わりに負のz高さの方へ著しくゆがめられる 負のz高さ方向で分布をゆがめることはRt、Ra、Rqのような粗さパラメータを増やすのを助け、そしてそれは平均のz高さの変化や、最も強くヘッドディスク接触の摩擦学に影響することを示し、そして平均ピーク粗さRqを十分に増やすことなくそれは記録ヘッドと媒体の間で磁気空間に影響を与える。
'豊﨑'訳
ゆっくりと粗くなっているにもかかわらず、図2.9でのディスク基盤ではドライブで数年使用されただけのディスクよりいまだはっきりと滑らかである。
図2.10は2000年あたりからのディスク表面の例を表している。これは周辺のテクスチャー表面よりむしろ等方的である。
図2.8 （上図）ガラスディスク基盤の500nm×500nm領域の断続的接触AFM画像はもっとも滑らかな典型であり、これは現在では達成されている。
Rt＝16.8オングストローム、Ra＝1.2オングストローム、Rq＝1.5オングストローム
（下図）バーはAFM画像によるz軸高さの分布を表している。一方で曲線は同じ標準偏差でガウス分布を表している。
図2.9 （上図）ガラスディスク基盤の500nm×500nm領域の断続的接触AFM画像は典型的な2004年に使われていたディスクドライブ適用に生産されたディスクである。
Rt＝32.3オングストローム、Ra＝4.8オングストローム、Rq＝6.5オングストローム
（下図）バーはAFM画像によるz軸高さの分布を表している。
一方で曲線は同じ標準偏差でガウス分布を表している。
図2.10 （上図）ディスク表面の500nm×500nm領域の断続的接触AFM画像は2000年のディスクドライブに使用されていたものである。
Rt＝67.7オングストローム、Ra＝9.8オングストローム、Rq＝11.7オングストローム
この早い時期のディスクでは、z軸粗さパラメーター（Rt＝67.7オングストローム、Ra＝9.8オングストローム、Rq＝11.7オングストローム）は、図2.9でのこれらのテクスチャーディスクよりもかなり高い。
しかし、ほとんどの設計された表面と比較してもまだ非常に小さい。
図2.10のAFM画像では個々の隆起頂点が同一化されており、図2.8と図2.9のAFM画像よりもとても簡単である。
適切なソフトウェアでは、隆起頂上の隆起の曲率の高さと平均半径が測定され、それらの数値、隆起粗さパラメーターによってこのディスク表面が決定された。
Ns：単位面積あたりの隆起頂上の数＝226/μm2
σs：頂上高さの標準偏差＝9.0オングストローム
Rs：頂上の曲率の平均半径＝80nm
'中村'訳
2つの材料が互いに押しつけられるとき、初期の固体と固体の接触は表面の高い点(突起の頂点)で起こる。 これらの突起が接触するこの領域は通常、表面で覆われた総面積の1％未満の極めて小さい部分であるが、この小さな領域で接触している原子の間で発生する力は大部分のトライボロジー的な現象、つまり、摩擦・磨耗・凝着などの原因となる。 従って、突起に作用している力が接点のまわりで材料をどのようにゆがめるかを理解することが、トライボロジーを理解するための重要な基礎を与える(提供する)。
この章では、二つの物体が接触したとき、表面形状(トポグラフィー)がどのように変化するかを学ぶ。 前の章では、非接触面の表面形状(トポグラフィー)を特徴づける方法を学んだ、しかし、接触の際にその形状を特徴づけることは、それらの表面がほとんど実験的な技術に近づけられないため、極めて困難である。 通常、我々は接触応力、弾性変形および塑性変形の度合い、および真実接触面積を知りたい場合は、隠れた接触界面(インターフェース)の接触機構を分析する必要がある。 接触機構では、我々は表面形状の知識(前の章で得られた)と材料の機械的特性の理解(この章で得られたことにする)とを組み合わせた結果、接触材料内の応力および変形を決定する。
'入井'訳
3.1 変形の原子論的起源
材料の機械的性質は，個々の原子が材料中で隣接する原子の結合する方法に由来する．
2つの同類の原子（例えば，アルミニウムの原子）は引き合わされている．
結合はそれらの間に形成されることになる．
図3.1は2つの原子をくっつける結合力を描いたものである．
引力は，原子が離れていくにつれて4～5原子直径の範囲で大きさが徐々に減少する．
斥力は，それぞれの原子取り囲む電子雲の重なりにより，原子は互いに押し合うので急速に増大する．
合力は引力と斥力の和である．引力はさまざまな起源がある．
金属で起こる金属結合，食卓塩の結晶のような陽イオンと陰イオン間のイオン結合，有機化合物間（プラスチックや潤滑油膜の一部で形成されるかもしれない）などで起こるファンデルワールス結合である．
たとえ何であれ引力の性質，つまり図3.1に示す分離距離と力の関数（＝グラフ）の形は，あらゆるタイプの原子結合においても変わることはない．
要するに，異なる原子結合のタイプにおいて縦軸と横軸の尺度が大幅に変化してもグラフの形は変わらないということである．
図3.1 分離距離による2つの原子間の力の変化の仕方．
破線は遠距離における引力と短距離における斥力を示している．
実線は引力と斥力を足した結果を示している．
OBは合力がゼロになるときの平衡状態における分離距離である．
力f”で原子を引っ張るとOB”間は拡大する．
一方で，力f’と一緒に原子を押すとOB'間は縮小する．