第10回英文輪読10月29日

'池田'訳

 引力と斥力がつりあっているとき、2つの原子間に働く合力はゼロであり、これは原子は平衡分離距離にあることを意味している。(図3.1の点B) 固体中では、原子は、原子と隣接する原子との間で働くすべての力の合計がゼロである箇所にあった。 このつりあいを達成するために、原子は頻繁に格子状に並ぶ。図3.2(a)に示すように格子状は原子間の相互作用エネルギーを最小化する。 ここで、原子は平衡分離距離だけ間隔をあけている。 大きすぎない引張力を結晶に加えた場合、図3.2(b)に示すように、原子間の結合は小さなばねのように伸び、原子間の間隔を増加させ、そのため原子対の間の合力がわずかに負になる。(図3.1の点B") 圧縮力が加わると、原子間の間隔が減少し、合力はわずかに正となる。(図3.1の点B') 原子間の追加された引(斥)力が外部から加えられる引張(圧縮)力を補うまで固体は変形する。 同様に、図3.2(c)に示すように固体にせん断力が加えられた場合、原子レベルの力が、加えられたせん断力につりあうまで原子は少し横に移動する。

図3.2 結晶構造中の分子がa〜dの状態にある (a)力を加えない (b)小さい引張力を加える (c)小さいせん断力を加える (d)結晶面に沿ってズレを発生させるのに十分な引張力を加える

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'加藤'訳

 小さな力を加えると、原子は平衡分離距離からほんのわずかな結合距離だけ移動し、復元力は移動した距離に比例する。 これが弾性変形である。 弾性変形では、加えられた力が除荷されると原子は本来の位置に戻る。 固体中の原子それぞれに働く力が図3.1の点Cの量を超えるように、個体に十分大きな張力を掛けた場合、誘引性の復元力は物質を互いに保持するには不十分になる。 これらの状況下では、塑性変形が起こり、そして力が除荷されても多くの原子はもはや本来の位置には戻らない。
 塑性変形はいくつかの方法で起こり得る。 脆性材料では、原子は入り乱れて滑ることが簡単にはできない。 なので、外部から加えられた張力が固体中で原子が互いに引き止めあう引力を超えるとき、その材料は折れる。 延性材料では図3.2(d)に示すように、原子はすべり面に沿って原子配置1つ分滑る。 このスリップ運動は、各々の原子に働く力すべてが塑性変形を起こすために必要な閾値Cよりも低くなるまで、固体中の多くのすべり面と粒界によって何度も繰り返す。 図3.3は、単結晶内の連続した結晶面におけるすべりが、どのように結晶全体の塑性伸びにつながり得るのか、ということを示している。

図3.3 加えられた張力のために、(0001)面に平行な広範囲のすべりを起こす単結晶(hcp:六法最密構造)の構造.

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'齋藤'訳

 原子の一平面が一斉に別の平面を越えて滑ることは、極めて難しいことである。 その理由は必要となる力が隣接した格子間の活性化障害壁を越えて滑らせるための平面上でそれぞれの原子に働く必要のある力の総数であるためである。 結晶平面での全ての原子よりもむしろ転位周りの少数の原子が起こす方がずれのための力は小さい。 従って、殆どの延性のある塑性変形過程は転位の動作によって起こる。 図3.4が示す転位の一つのタイプ、刃状転位は滑り平面に沿って起こる。 せん断応力は結晶の上半分を左に、下半分を右に押す際に加わる。 格子の上半分の圧縮は、結晶間の余分な平面(斜線の円として示す)の転位を形成するため、左にスペースを空ける一つの格子を動かすためのいくつかの原子平面を引き起こす。 せん断応力によって、この余分な平面は結晶格子一つのスペースを経て左に表れるまで動く。 結晶を通して転位を動かすための力は、一度に全ての原子を一つの格子間隔に通して滑らそうとするよりもはるかに小さく、転位と関連している少数の原子だけが結晶格子の低いエネルギー平衡位置から動く。
 これらの弾性変形と塑性変形の原子起源から、私たちは現在いくつかの接触力学の基本的関係を議論する準備ができている。

図3.4 滑り変形を経て結晶中を動く刃状転位(斜線円)。 (a)変形していない結晶 (b, c)転位としての二つの段は実用されるせん断応力のために一つの格子間隔を左に移動する (d)転位後の変形していない結晶はそれを経て全体的に動く。

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'笹崎'訳


*訳文データが無いので概要を簡単に...
3.2 弾性変形
3.2.1 基本的な関係
単軸引張荷重が加わっているとする. 垂直応力σ1は荷重を断面積で除した値である. ひずみε1は変形後の長さを変形前の長さで除した値である. ひずみが小さい領域(除荷後元の形に戻る領域)にではσ1=1E:ヤング率)が成り立つ. ポアソン比νは縦ひずみと横ひずみで定義され0.1~0.5の範囲をとなるが,多くの材料は0.25~0.3程度になる.

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'佐藤'訳


*訳文データが無いので概要を簡単に...
せん断応力τとせん断ひずみγの間にはτ=G:せん断弾性係数)が成り立つ. 等方性材料ではヤング率とせん断弾性率の関係はE=2G(1+ν)になる.

3.2.2 単一凹凸の弾性変形
凹凸を平面に押し付けるときの接触について考える.

3.2.2.1 単一凹凸接触の近似
「球形の牛」という冗談がある. 酪農に科学的な考えを導入し現代化するために物理学者を招いた. 物理学者は難しい理論を説明「牛を球と仮定して・・・」,酪農家は憤慨した. 現実の複雑な現象を高度に単純化された科学的なモデルにすることのおかしさを喩えた話である.

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'定嶋'訳

 摩擦論理的接触の我々の分析法では、我々はしばしば一つの凹凸のための接触ジオメトリーが平面の上の球として単にモデル化されることができる粗い近いものを使います。 この球面の近似を使うことの我々の目的は、主に一つの凹凸の接触の性質に対する洞察を得ることです。 非球面との接触のジオメトリーために、人は適当なテキスト(ジョンソン1985)で分析的処置に言及することができるか、接触力学を分析するために、適切な数の方法を使用することができます。 しかし、通常、「平面の上の球」の近似は、(接触域と圧力のような)最も身体的な関心の量のかなり正確な予測を提供する。 (それは球形の牛の近似よりよく確かに作用する。)

3.2.2.2 平面上の球面の弾性接触領域
彼の1880のクリスマスの休暇の間に、23才のハインリッヒ・ヘルツは、楕円接触域のために弾力性がある変形の分析法を考えました(ヘルツ1882;ジョンソン1985)。 しばしば、平らな幾何学に関してそれを等しい球に変えることによって、我々は接触力学問題の分析を単純化します。
 球状に形づくられた頂点が図3.6で示すように荷重Lで平面と接触するとき、表面は半径aの接触地帯をつくるために変形させます 平面の上の球で弾力変形について、ヘルツの方程式によると接触地帯の半径は

ここで合成弾性率Ecは2つの接触している材料のE1E2により

で与えられます。

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