第08回英文輪読06月08日

'飯詰'訳

 摩擦は、別の物体の上で動いている物体によって引き起こされる抗力として定義される。この幅広い定義は相対運動の2つの重要な種類(滑りと転がり)を含んでいる。滑り摩擦と転がり摩擦を区別することは便利である、しかし、その二つはお互いに排他的ではなく、見たとこと純粋な転がりはほとんどいつも多少のすべりを含んでさえいる。

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'伊藤'訳

 理想的な転がりと滑りの両方において、 図3.1に示すように、上体を静止対向面上に移動させるには、接線力Fが必要である。この摩擦力と通常荷重Wとの比は摩擦係数として知られており、通常は符号μ 式3.1 摩擦力の大きさは、摩擦係数の値によって簡便に説明され、摩擦係数は広範囲にわたって変化し得る。軽負荷の転がり軸受では約0.001から真空中で摺動するきれいな金属に対しては10を超える。しかし、空気中で摺動する最も一般的な材料の場合、Uの値は約0.1〜1の狭い範囲にある。

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'佐藤'訳

 滑り摩擦のいくつかの条件のもとでは,材料と固定された状況の潤滑(または潤滑のない状況)の組み合わせによって与えられるμはおそらくほとんど一定となる. この結果は2つの経験的な滑り摩擦の公式化につながった,後によくアモントンの法則とよばれる,アモントンはこれらの法則を1699年に再発見した. レオナルドダヴィンチはしかしながら,はじめにこれらの法則を役200年早く説明していた. 摩擦の法則は次のように述べられている, (1)摩擦力は垂直荷重に比例する (2)摩擦力は見かけの接触面積とは無関係である. これらは時々3つ目の法則に加えられる,コロンブスの作った法則ではよく,(1785) (3)摩擦力は滑りの速さとは無関係である.

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'竹島'訳

 これらの3つの摩擦の法則は信頼性にばらつきがありますが、いくつかの重要なケースでは経験的観測の役に立つ概要を提供すると期待できる。 1つ目の法則は(2.1)として表現されるだろう 摩擦係数μが垂直荷重とは無関係であるという記述に相当する。 潤滑状態または潤滑されていない状態のもとで、多くの物質は変化する。これは本当だ。 Amontosは、彼の法則が導き出された実験では、いくつかの金属と木材を使用し、すべてが豚の脂肪で潤滑されていましたそれゆえ、彼の材料は境界潤滑を経験しました。(section4.6をみなさい) しかしながら、第一法則はしばしば、潤滑されていないすべりにも従う。 図3.2は、磨かれたアルミニウム上で、空気中での無潤滑典すべりの典型的な結果を示す。 摩擦係数は事実上一定のままである。荷重はほぼ10の6乗の係数で変化したけれど

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'津守'訳

 ほとんどの金属と多くの他の材料はその第一法則に従うにもかかわらず、ポリマーはたいていそうではない。この挙動の違いの理由は第3.8節で考察する。 摩擦の第二法則は第一法則のようにより広く深くは調査されてはいないが、それにもかかわらずポリマーの例外を除いてほとんどの材料に対して証明されている。図3.3は潤滑のない鉄の上に木材を滑らせたときの摩擦係数を示している。垂直荷重は一定に保たれている。その一方で見かけ上の接触面積は約250の要因によって異なっている。そのμの値は事実上一定に見られる。

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'平久江'訳

 摩擦の第三法則は最初の二つよりもよく確立していない。 滑り始めるのに必要な摩擦力のほうがたいてい滑り続けるのに必要な摩擦力よりも大きくなることは一般の観察の問題だ、そしてこれゆえに静止摩擦係数μsが動摩擦係数μdよりも大きくなる。 しかし、一度滑りが確定すれば、μdはかなりの広範囲にわたる滑り速度からほとんど独立した系と分かるけれども、金属にとっての数十や数百メートル毎秒の高滑り速度ではμdは速度の増加とともに低下する。(項3.5.5)

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'渡辺(紘'訳

 アモントンとクーロンを含む多くの初期の研究者は、摩擦力に対する主な寄与は、剛体な突起、あるいは弾性的に変形した突起の間での、機械的な相互作用であると予測した。

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'渡邉(陽'訳

 図3.4で示されているモデルの簡易版はしばしばクーロンモデルと呼ばれ、 くさび形突起の作用におけるクーロンモデルは2つの面がAの位置からBの位置に滑らせるときに離れるように移動する原因となる。  摩擦力によって行われる仕事と垂直荷重に対して行われる仕事と等しくすることによって容易に示される。μはtanθに等しい  それは運動(BからC)の次の段階を検討している、しかしながら基本的な欠陥が明らかになる。すなわち現在、システム上で垂直荷重が動作し、動作上の初めの段階に持っているすべての潜在エネルギーが回復される。  完全なサイクルで正味のエネルギー消失は起こらないため、したがって、巨視的なスケールでは摩擦力が観察されるべきではないと結論づけなければならない。もし実際の表面間の相互作用がクーロンモデルに正確に従ったのならば。

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'淺田'訳

 摩擦についての満足できるモデルでは,エネルギー散逸のメカニズムは明らかに必要である.金属やセラミックでは,そのメカニズムは通常塑性変形であり,時にはバルク材(母材)ではなくむしろ界面膜で起こる.一方で,ポリマーでは,しばしば粘弾性挙動である.次に摺動摩擦モデルを考察する.これらは主に金属用に開発されたものだが,いくつか変形することで他の材料へも適用可能である.セラミック,層状固体およびポリマーの挙動について後のセクションで詳細に考察する.

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'飯詰'訳2

 ほとんどの現在の滑り摩擦の理論は1930年代〜1970年代の間に主にケンブリッジでBowdenとTaborが行った重要な成果に由来する。Bowden とTaborの滑り摩擦モデルは、その(=滑り摩擦の)最も簡単な形状において、摩擦力は二つのソースから生じると仮定している。その二つとは、2面間(突起の交差点)の真実接触面で生じる凝着力と、柔らかいものを通して硬い表面の突起を掘り起こす必要がある変形力である。最近の理論の発展において、それら二つは完全に独立したものとして扱うことができないということが明らかになってきているものの、それらを分けて考えることは便利で、(問題を)解明する。その結果として生じる摩擦力Fは二つの要因項の和としてみなされる、その二つとは、凝着によるFadhと変形によるFdefである。

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'伊藤'訳2

 凝着項は、凹凸接触部で作用すると考えられる引力から生じる。一見、この仮定は信じられないように思われるかもしれない。結局のところ、2つの金属表面が互いに押し付けられたとき、それらは一般に凝着しないという共通の経験の問題である。しかし、表面が清浄で、酸化物および他の表面膜および吸着されたガスである場合、金属間に著しい接着が観察される。このような条件は超高真空下で達成することができる。(典型的には10-8Pa未満のガス圧で)銅や金などの延性のある金属では、UHVの下で表面を一緒にプレスするのに使用される荷重よりも強い接着力を伴う強力な接着が見られる。より少ない延性の材料、例えば少数の滑りシステムを有する六方晶系金属、またはセラミックでは、接着力はより弱いことが分かる。

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'佐藤'訳2

 とても柔らかく延性のある金属,たとえば鉛やインジウムなどの凝着,は容易に説明される,通常の研究所の状況下で.図3.5 もし真鍮や鉄の棒の丸みを帯びた端が表面の汚れを取り除くために脱脂され,摩耗され,そしてそのとき,インジウムの塊の新しい削られた面を押し込んだとき,強い凝着がおこる, そのうえ,インジウムの分離した破片がロッドに凝着したとき,接合部の凝着力がインジウムそれじたいの結合力より強いことがわかる. 似たような効果がUHV実験において見られる.もし汚れていない鉄の表面が銅の表面に軽く押されて取り除かれたら,鉄の表面の調査は銅の傷を明らかにする.

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'竹島'訳2

 接触している異なるきれいな金属間における相互作用の最近のコンピュータシミュレーションでは、原子間力に関連したモデルを利用することで、重要な付着が見られ、そして、金属の転位が起こるだろう。 図3.6は接触における分子の動的なシミュレーション結果を示している。ニッケル圧死と初期の平らな金表面の間での 圧死が表面に近づくと、吸引力が十分に金のねじれを引き起こす。そのため、ニッケルの先端がまだ、初期の表面レベルより上にいくらか距離があるときでは、深い接触が起こる。 図3.6(あ)は圧死が金への最大限のへこみを示す点を示している。 その圧死がfig3.6bの表面で起こるとき、接合割れが金と金原子のニッケル先端へのぼ重要な変位内で起こる。

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'津守'訳2

 この全ての証拠は突起の接合に渡って強い界面の接着の存在を指し示します。粘着力を示されるようになるというボーデンとテンバーのモデルの重要な仮説はしたがって正当と認められます。二つの金属表面が普通の状況でプレスされたとき、重大な粘着性が観察されない理由は二つある。 最初に表面は凝着力に弱い酸化膜・吸着膜に覆われている。そしてその次に、その金属が特定の延性が持っていないことに限り、荷重下での突起周辺の弾性ひずみが荷重のなくなる過程で突起を破壊するのに十分な応力を発生させる。したがってやわらかい延性金属と酸化膜の中でだけ、少なくとも部分的に除去されたところはかなりの粘着性を普通の状態で示すことができます。

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'平久江'訳2

 凝着の実験と理論のモデル化の証拠はさらに二つの似ていない金属が互いに反して滑り突起の接合部分が変形したとき、実際には、突起の接合部分は二つの金属の弱い方よりも強くなり、硬い方の上の柔らかい金属片の引き抜きと移動を導くことを示す。 これは本当に観察され、柔らかい方の金属に激しい摩耗を引き起こす。(5章) もし、私たちが真実の接触領域、すべての突起接合点の断面領域の合計をAで示し、すべての接合点が同じせんだん強さsを持つと想定するならば、摩擦力は凝着のために(3.3)のように与えられるだろう。

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'渡辺(紘'訳2

私たちは2.5.3節おいて、次のことを第一近似的に知った。突起間の接触が主として弾性的か、あるいは主として塑性的かどうかにかかわらず、真実接触面積は、適用された垂直荷重にほぼ線形的に比例しているということを。一般的な工学加工をなした金属表面間の接触の場合、初めての突起接触は事実上、塑性変形するだろう。また、突起が支持できる垂直応力から、私たちは以下のように記述できる、 (3.4) 金属表面が塑性変形するならば、押込硬さHはより軟らかい押込硬さHに近づくだろう。(2.5.1節を見てください。)

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'渡邉(陽'訳2

 凝着力からの摩擦係数への寄与は、それゆえに3.5式である。  接合突起は、2つの材料の弱い部分の中で破損することによって破損するので、我々は、その材料のせん断強さであることを最初考えることができる。すなわちHは同じ材料の押し込み硬度である。  金属では、押し込み硬度は単軸降伏応力の約3倍である。

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'淺田'訳2

 降伏応力Yは純粋せん断における降伏応力sの約1.7倍または2倍であり,正確な因子は降伏基準に依存する.それゆえ,(3.7)式となる.したがって(3.8)式となる.やわらかい材料の表面を硬い凹凸が掘り起こすことによる摩擦力,すなわち変形項は理想化された形状の単純な凹凸を考えることにより評価することができる.

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