Research
研究内容
通紙に伴う紙送りゴムローラの摩擦特性
印刷機や改札機など,紙を扱う機器の多くには紙搬送用として摩擦係数の高いゴムローラが使用されている. それらのゴムローラに紙粉が付着すると,その摩擦力が低下し,紙シワや紙詰まり等を生じる可能性が高くなる. しかし,ゴムローラの摩擦力が低下する原因は不明であり,原因追求のためにはゴムローラの接触面解析を行うことが重要である. 一般に,紙搬送メカニズムを調べるためのシミュレーションとして,有限要素法によるモデル計算が行われている. しかし,有限要素法モデルでは,ローラと紙の真実接触面積や表面の微視的な滑りは考慮されない.
ピックアップローラの摩擦特性の評価
本研究では,実際の接触状態を調べるために,3Dレーザイメージャの視野の広さと高分解能を活かして紙搬送用プラテンゴムローラの圧力作用面の観察を行っている. ローラにトルクを加えた紙搬送モデルを観察し,ローラや紙表面の変形を調べる. また,ガラスとの接触状態にあるローラの表面を微視的に捉えることで,紙搬送における諸要素の影響を解明することを目指している. 本研究室では,実機を用いてローラに通紙試験を行い,真実接触面積や摩擦係数を測定することでゴムローラの摩擦特性を解析している. 本実験では,広い観察視野と高い空間分解能を併せ持つ広視野レーザ顕微鏡を活用し,詳細なゴムローラの接触面解析を効率的に行っている.
ポスターはこちら
すべり摩擦試験
プリンターで使われる紙搬送装置の耐久試験では,少なくとも10万枚50時間以上もの長い通紙試験が必要で,高いコストと労力が問題となっている. 通紙試験でゴムローラが経験する相対すべり量は,単にゴムローラを紙の上ですべらせることにより短時間で与えることができる. このように,すべり試験が紙搬送の加速試験となれば,紙搬送試験に比べ時間やコストの大幅な削減につながる. 本研究では,すべり試験における紙粉付着がゴムローラの摩擦特性に及ぼす影響を調査した.
ポスターはこちら